獣の奏者をネタバレ無しで全力でお薦めしたい。
周りでペットを飼う人が増えた。また、ニュースでもコロナ禍でペット需要が高まったときく。
なぜ人はペットを飼うのだろうか?
癒されるから?愛玩用?家族が欲しいから?動物が好きだから?
どのような理由であっても構わないが、問題はペットを捨てる人が増えているということだ。
捨てる人の倫理観や責任感を論じるのは他の方に任せて、私はあえてこのことを伝えたい。
獣は思い通りにはならず、人間にとって絶えず恐ろしい存在であることを忘れてはならない。
だからこそ美しいのだ、と。
そのことを本当の意味で教えてくれる名文学がある。私が1番好きな小説、
上橋菜穂子さん著「獣の奏者」である。
人が獣と心を通わせること、そしてそれが幻想だったと傷つくこと、そしてそれでもなお獣と向き合い続けるということ、そのことの切ないくらいの美しさを、緻密な物語の中で教えてくれる作品だ。
児童書としても、大人向けのシリアスなファンタジーとしても、素晴らしい作品である。
ファンタジーとして没入する楽しさも味わえるが、あえて私はファンタジーが苦手な人に読んでもらいたい。
だから敢えてこう言いたい。
読書が苦手なのであればまずは説明は読み飛ばして台詞だけ追ってしまっても構わない、と。
それでも必ずこの作品の素晴らしさに胸を打たれるだろう。そして読み返すと確信しているからだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?