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今年古希を迎える。

妻が残した丸い化粧鏡を覗いた。
髪は薄く、無精髭を生やし、老けた人が居て驚く。

鏡に写るあなたはどちら様?

名は態を表し、顔は人柄を写すと言われているが、
私の顔は如何だろう。
シミや皴だらけで、見窄らしくはないか?

気だけは若いつもりだが、身体はポンコツ。
歩くことも、走ることもままならない。

先日、昭和五年生まれ、92歳のご婦人に出会った。
顔の肌艶も良く、シャンとしていた。
言葉遣いも丁寧で上品、気品さえ感じる。

自分は如何だ?鏡に問い掛けた。

いやいや、まだ間に合う。
諦めるのはまだ早い、頑張ろう。
鏡の中の自分が答える。


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