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【大人にとってはダメなことでも、子どもはちゃんと考えている】


保育室の壁には大きなマグネットが貼ってあります。
誤飲防止のために、子どもの手の届かないところに貼っていた磁石を取ろうとA君は手を伸ばしましたが、届きません。

いつもは「先生とって」とお願いされるのですが、
今日はA君が何も言わないので、暫くA君の様子を見守ることにしました。

私:「届かないね。どうする?」
A君:牛乳パックを繋げて作った長さ30㎝ほどの足踏み台を持ってきました。しかし、それに乗っても磁石には手が届きません。

私:「まだ届かないね。」
A君: 足踏み台を2段にしましたが、まだ手が届きません。

私:「まだ届かないね。」
A君:しばらく考えてから、足踏み台を3段にした後、一冊の絵本も持ってきました。

そして3段にした足踏み台の横に絵本を置き、その絵本を踏んで3段にした足踏み台に登ろうとしたところ

「絵本の上に乗ったらダメやん!」と言う声が飛んできました。

そうです。絵本は大切に扱って欲しいものです。
だから、絵本を足で踏むのは好ましい行為ではありません。

でもね。ここで注目して欲しいのは、
【どうしてA君は絵本を踏んだのか?と言うことなんです。】

足踏み台は3つしかありません。
2段にした足踏み台に乗るときは、A君は2段にした足踏み台に1段の足踏み台をくっつけ、階段上にして登っていました。

しかし、足踏み台を3段にすると、階段上にすることができません。
そこで、厚さ1センチも満たない絵本でしたが、それを足踏み台しようと考えたのです。

大人にとってはダメなことをしている様に見えることでも、子どもは、ちゃんと考えた行為なのです。

画像は、A君が登園する時に「先生にあげる」と言って摘んで来てくれた
ちっちゃなたんぽぽです。

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