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限界から始まる〜手加減なしの言葉の応酬

上野千鶴子、鈴木涼美.限界から始まる〜手加減なしの言葉の応酬.幻冬社.2021

最近、取り組んでいる往復書簡の2冊目である。男性に紹介されて読み始めた本書であるが、女性である私であっても初めて読む上野千鶴子の書籍としては刺激が強かった。

性暴力の話やMe Too運動などが、メディアで取り上げられることが多くなった昨今であるが、日本を舞台として女性、女の自由、男性の女性への目線などといったトピックについて語ることがいかに難しいか、いかに男女の考え方が異なり同じ線上で対話することが難しいのかを考えさせられた。

フェミニズム」が市民権を得ているデンマークの事象として扱われたのであったのならば、特別な「対話」というよりは、日常の一コマの対話と捉えられるのかもしれない。しかしながら、例として出されるのは、紛れもなく自分が若い頃を過ごしてきた日本社会である。女性として、「女性の自立」に関していかに無関心であったかを改めて思い知らされる。

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