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はらいそ通信

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互井観章のインド旅行記。 "はらいそ" とはポルトガル語で「楽園」を意味する。
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#互井観章

インド旅行記 ー はらいそ通信 - vol.4

 超豪華なホテルを満喫することもなく後にした私たちは、コルカタの街に繰り出した。コルカタ、昔の言い方はカルカッタ。インドの西に位置し、人口は約450万人。イギリス人曰く「この宇宙でもっとも最悪の町」といわれたコルカタは、路上生活者は200万人とも300万人とも言われる。ある意味で最もインドらしい街ともいえる。 私たちを乗せたバスは、街の中心部に向った。とにかく、人と車の大混乱。コルカタ中の人と車が目の前に集まっているような状態。喧騒と無秩序。なんじゃこりゃって感じ。「インド

インド旅行記 ー はらいそ通信 - vol.3

日本を出発する前に、友人から『インドの洗礼』の話を聞いた。我々日本人が、インドを旅行する際に必ず受けなければならない洗礼があるという。1つめは「物乞い」、2つめが「狂ったように走るバス」、3つめが「臭い」だそうだ。早くその洗礼を受けて慣れてしまうことがインド旅行の秘訣だといわれた。 幸せなことに、真夜中のコルカタに到着して、それを全部体験した。バスに乗るまでの短い距離、乳飲み子を抱えた母親が呪文のように「ミルクミルク・・・」とささやきながらついて来る。幼稚園児くらいの子ども

インド旅行記 ー はらいそ通信 - vol.1

  横尾忠則さんがいなかったら、僕はインドには興味を持たなかったかもしれない。正確に言えば、横尾さんが描いた細野晴臣さんのLPジャケットを見なかったら、ということである。 細野さんは日本を代表するミュージシャンの一人。坂本龍一さんたちとYMOを結成した中心人物である。その細野さんのアルバムジャケットを描いたのが横尾忠則さんだ。キテレツ、摩訶不思議で暑苦しく、そしてなぜか危ない感じがするジャケットだった。その絵はどう見てもインドだった。初めてレコード屋でそのアルバムを手にした