あいつは今

拝啓  一番憎いあなた


お元気ですか?

あれから何年の月日が経ったでしょうか。

不思議な事に、片手で指折り数えるくらいしか

年月は経っていないってご存知でしたか?

それでも、あの日のこと

それまでの生活

それからの生活

辛かった日々のこと

私は今でも鮮明に思い出せます。

それ程記憶にも心にも


深く


深く


傷跡が残っています。


親の力を借りてまで逃げていき、

自分の犯した『不貞行為』という事実から

目を背け、謝罪すらない貴方の罪深い人生は楽しいですか?幸せですか?

貴方はもう成人して何年か経つでしょう。

若気の至りだったとは

未熟だったとは言わせませんよ。

物事の分別くらい着く筈ですから。

そして一生その十字架を背負って

貴方のやった事を否定して蔑んで

軽蔑する眼差しをいつか浴びて

孤独に生きる人生を送ってくださいね。

人の幸せをぶち壊した人に

幸せなんか訪れない。

いつか全部自分に返ってくるんですから。

もう返ってきましたか?


私ですか?

私は今、前に進んでますよ。

指でも加えて悔しがってください。

どうぞ、これからも不幸せな人生を謳歌してください


それでは。


敬具


現実では

届く事は無いこの手紙を綴って。

ポストにでも入れた気になりましょうか。


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