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憧れるのをやめました

ごちゃまぜ生活の代表格「いしいさん家」

千葉に住んでいながら、一度も訪問したことのなかった場所。

1/12。村瀨孝生さんの講演会に参加するため、八千代の「52間の縁側」をついに初訪問しました。

朝11時から17時まで村瀨さんと石井さんの話をたっぷり伺いつつ、いしいさん家の日常のちゃまぜ生活を感じる充実した1日となりました。

あまりに気づきや考えることが多かったので、講演を聞いて考えたことはまた別の機会に整理して発信したいと思います。

一日の想いをまとめると、「介護や看取りにサービス種別や規模、価格帯(高級有料か低価格か)などは一切関係ない!」ということです。

いしいさん家の存在は、もちろん知っていたし、いしいさんの破天荒とも思える活動にもずっと注目していました。

昨日、お二人のお話を伺っているうちに、なぜ今まで一度も訪問しなかったのか、その答えがうかびあがってきました。

いしいさん家や村瀨さんのよりあいは、ぼくの描く「しあわせに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」を体現する”理想形”のひとつです。

ぼくは勤務先の”高級有料老人ホーム”で理想の実現を目指しています。

ただあたまの片隅にいつもあったのは、「宅老所や小規模だからできるのだろう」というあきらめに似た感覚。

憧れだけど、ぼくにはできない場所。

ところが村瀨さんや石井さんから語られる介護現場の話や、介護に対する考え方を聞いて感じたのは、「うちと同じだ!」でした。

世間一般で語られる「100名規模の高級有料老人ホームでは、業務中心となり、その人に合わせたケアはできない。その人が望むように最期まで生ききることを支えることはできない。」というステレオタイプが、いつの間にかぼくの思考にもマスクをかけていたのです。

でも、実際は小規模のところと同じように、勤務する有料老人ホームでも、その人に合わせた看取りや、その場の状況に臨機応変な介護、本人主体の日常を実践しています。

もちろん一定の制約はあります。でもそれは僕たちも日常生活に制約があるのと同じです。

たとえば、うちには書斎と呼べるスペースがないので、いま僕が、この原稿をコーヒーやパンや郵便物が乱雑にひろがるリビングのテーブルで書いているように。

全国各地で講演活動をしている方々の多くが言います。

「あなた(のことろ)だからできる。ウチではムリ」とよく言われるけど、そういう考えは持たずに、できることからやってください。と。

ぼくやぼくの勤務先は、決して有名介護施設ではありません。

でも、愚直に理想を追求していた結果として、「けっこういい線いってるじゃん」と感じることができました。

終演後、石井さんにこの思いをお伝えすると「うれしいなぁ。規模や形態は違っても、みんな同じような場面を経験していると思うんです。みんなで実践を言語化して発信していきましょう」とおっしゃってくださいました。

あぁ、村瀨さんと一緒にランチしたときの話も書きたい!

でもちょっと長くなったので、いったんこの辺で。


めでたしめでたし

立崎直樹

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