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【レポート】ビデオグラファー鬼の3日間!浜松で繰り広げられた「生存戦略合宿」の舞台裏

2023年4月20日から22日まで、静岡県浜松市でビデオグラファーのための「生存戦略合宿」が熱く開催されました!この合宿の3日間の興奮と感動を、運営事務局のおさきがお伝えします。

生存戦略合宿とは?

「生存戦略合宿」とは何かと言うと、雑誌ビデオサロンで連載中の「生存戦略会議」が原点。ビデオグラファーが本質的な企画•演出ノウハウを身につけるだけでなく、実践を通じて技術向上を目指す合宿形式のイベントです。
初開催となる今回は、浜松市産業部スタートアップ推進課にご協力頂き、参加者全員が「浜松市へのスタートアップ企業誘致の映像を提案すること」を最終ゴールとしました。ただこれ、むちゃくちゃ大変な鬼の3日間だったんです。。

合宿には、株式会社Happilm代表の大石健弘と、PANTENE「#PrideHair 」パンパース「 ママも一歳、おめでとう。」 など共感を生む感動作を数多く手がけるドキュメンタリストの高島太士さんが主催者兼講師として参加しました。もちろん、お二人の存在で合宿が、ちょっぴりエンターテイメントになっちゃったことは言うまでもありません。それでは、3日間を少しだけのぞいてみましょう!

3日間のタイムテーブル

〈楽しい1日目〉課題と洗礼

合宿初日、北は北海道、南は愛媛県まで全国から集まった17名のビデオグラファーが、緊張した雰囲気が微かに漂う会場に集まりました。彼らが共有するのは、人々の心を動かすドキュメンタリーを作りたいという想いです。そのおかげか初対面の人々でもすぐに意気投合。広告業界では決して主流ではない「ドキュメンタリー」×「人の心を動かす」という情熱を抱く人々が集まって熱く語り合う姿に、思わず感動です。

・オリエンテーション

浜松市へのスタートアップ企業誘致の映像を提案する上で、まず大切なのはテーマについて深く理解すること。この大切なステップを踏むために、合宿のスタート会場は浜松市のイノベーションハブ拠点FUSEを活用。そちらで浜松市産業部スタートアップ推進課から市の歴史や企業誘致に関する現状の課題について詳しくオリエンテーションを受けました。そして大事なポイントが明かされます。「映像で何を伝えるべきか」という視点。この視点がずれてしまうと、どれだけ素晴らしい表現でも、心に響く映像にはなりません。参加者たちからは質問も多く挙がり、時間が足りないほどの熱心なやり取りが行われました。映像の企画力は、まさにここから始まるのです。

合宿のスタート地 FUSE

・ゲスト講師によるトークセッション

午後はJT「想うたシリーズ」や、大石さんも撮影で参加したJR東海「会いにいこう」などの有名広告映像を手がける大野大樹監督をお呼びしてのトークセッション。大野監督の作品は「多くの人の心に響く、共感性の高さ」が際立っています。作品を鑑賞しながら、制作において大切にしている姿勢やプロセスについて解説していただきました。

少しだけ紹介すると、

・共感を生むために必要な編集と音楽の感情曲線を意識すること
・設定のリアリティを作りこむこと
・自分が感動するものを信じること

などなど、ドキュメンタリーを作るビデオグラファーにとって目から鱗の重要な考え方が詰まっているものばかり。1本の作品を作るためにそこまでやるのか、、、と深い洗礼を受けたことでしょう。。。。すごすぎ。

大石監督(左)と大野監督(右)写真がこれしかなかった、、、

・懇親会

その後はバスでホテルに移動し、ご飯と温泉タイム!(詳しくはおまけコーナーで)
夜は合宿ならではの宴会場で懇親会を開催。しかも大きな畳部屋の貸切!一日中一緒に活動してきたこととお酒の力で参加者同士の仲も深まり、映像や仕事についての話題も熱く議論されていました。途中、参加者が制作した作品講評会も急遽行われることに。挙手制で勇気ある参加者が自分の作品を上映。大石さん、高島さんからは伸ばすべき点や直すべき癖など愛のある(鬼の)辛口フィードバックが寄せられ、参加者からも撮影方法や構成の考え方など自分に無い視点を学ぼうと沢山の質問が挙がりました。「普段、ここまでストレートに批評してくれる人はいないので本当にありがたい」と呟いていた参加者の声は忘れられません。熱い!

〈鬼の2日目〉企画と演出を学ぶ

2日目はいよいよ提案作り。まずは、実践に活かすためのノウハウを学ぶため、企画と演出のワークショップが行われました。

・企画ワークショップ

まずは高島太士さんの企画ワークショップ。グループワークでアイディアを出し合い、企画の種を蒔きました。でも、ここからが大変。「良い企画を出せる人は、多くの企画を出せる人」という高島さんの言葉があったように、企画をきっちり言語化するのがとっても難しいんです。みんなの悩み苦しむ姿を見て、28時間後に本当にプレゼンできるの?なんて少し思っちゃいます。

・演出ワークショップ

企画について考え尽くした後は、大石さんによる「演出」のワークショップ。「そもそも演出とは何か」というテーマから、ビデオグラファーにおける演出の重要性、良い演出を行うための方法など、参考映像を見ながら学びます。
演出の要素として非常に重要な「構成」については、架空のCMをお題に、「自分だったらどのような構成を組み立てるのか」というワークも行いました。この「構成」の作り込みを大切にしている大石さん。構成の意図を解像度高く言語化したり、Vコンを作り仮説検証を行ったりする大石さんの徹底ぶりに、皆さんかなり衝撃を受けていたようでした。

・提案作り

プレゼンに向け、2日目の残りの時間は各自提案を作り込みます。前半で学んだ企画と演出を早速落とし込む皆さん。足りない情報はネットで調べたり、浜松市在住のスタッフや参加者に市民視点の意見を聞いたりするなど、実際採用される可能性があるだけにかなり気合が入っている様子です。提案まで24時間きってます。鬼。

大石さん、高島さんの元にはひっきりなしに相談が。お二人のアドバイスに熱が入ります。

その夜、多くの方々が深夜まで提案資料作りに没頭していました。ホテルのロビーのあちこちで議論を交わす異様な光景。残り15時間きってるわけですから簡単には寝れないんですよね。早速Vコンを作る人、案がまとまらなくて相談している人、コンテを作って吟味している人。この夜だけホテルのロビーが映像制作プロダクションになっていました。この合宿は本当に「鬼イベント」だと再確認!でも、よくよく考えてみたら、こういう機会がなければ、少ない時間で脳みそフル回転し、考えを一気にまとめあげることって無いんじゃないかなと。こういう体験が人を成長させるんだなあと遠目で実感。。。

〈涙の3日目〉提案・アウトプット

最終日、朝からPCに向き合う皆さん。残り、6時間。バスでプレゼン会場へと向かいます。到着後も、最後の追い込みのため黙々と作業を進めてます。誰かが悩んでいる時には参加者同士でアドバイスをし合っている姿もたくさんありました。

・プレゼン発表

遂に本番です。浜松市産業部スタートアップ推進課の方々をお招きしてのプレゼンタイム。静岡新聞の取材陣も駆け付け、発表前の会場には緊張が漂っていました。時間はそれぞれ3分間。この合宿で学んだことを発揮し、17名全員がアイデアをプレゼンします。推進課の方々からは、それぞれのアイデアに対する貴重なご意見が寄せられ、アイデアへの真摯な受け入れが感じられました。本当にありがたい瞬間です。17名全員が短い時間でここまでやり切る姿に感服です。そして、様々なアイデアを通じて浜松に対する新たな魅力を感じ、少しずつこの街のことが好きになってきました。。。

・内省ワークショップ

プレゼンが終わり、みなさんむちゃくちゃ良い表情をしてます。
最後に行われたのは、この3日間での自分の気持ちを内省するワークショップ。理想のビデオグラファーになるためにこれから実践することを言語化し、シェアします。「映像を作る前に必ずVコンを作ること」など、ビデオグラファーとしてさらに前進するための強い決意の数々が発表されました。

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沢山の学びと、そして仲間たちとの出会いに想いがあふれ、最後は参加者の涙が連鎖する場面も。それは、一人ひとりが様々な想いを抱えながら鬼のチャレンジを通じて、自分自身と向き合った3日間だったからではないでしょうか。ラストがこんなにも感動の瞬間になるとは思いもしなかったので、事務局としても本当に嬉しいシーンだったのは間違いありません。皆さん、本当にありがとうございました!

合宿を通して参加者の皆さんからはこんな声を頂きました。

3日間で、ギュッと映像の企画と演出を学ぶことができた貴重な時間でした。また浜松市への提案までが最終ゴールだったことで、自分の現在地を知って合宿を終えることができたような気がします。これはただ座学でインプットするだけのイベントでは得られなかったと思います。
この経験をもとに、自身のキャリアを昇華していきたいです。
30代 男性

自分自身の考え方が大きくアップデートされた3日間でした。企画、演出についての視座を自分1人で考えているだけでは到底届くことの出来ないところまで高めることができたし、映像に対してここまで真剣に向き合えた時間は、一生忘れることのない経験になったと思います!この経験を今後の制作に活かし、1人のディレクター、ビデオグラファーとして更なる高みを目指していきます。
20代 男性

多分最年長だろうなと少し迷いましたが、まだ自分の中の映像を固めたくない、もっと広げていきたいという思いから参加させていただきました。
先生方の実際の経験を直に聞き、企画力、行動力、そして執念や情熱、これらが組み合わさり形になった時にはじめて人の心を動かすドキュメンタリーが生まれることを学べました。
ワークショップでは散々悩みに悩み課題と向き合うことになるのですが、3日間朝から朝まで頭をフル回転させるブートキャンプでした。ひさびさというか初めて映像に真摯に向き合った気がします。
最後の課題自体は3日間で一番カンタンでした。が、この3日間、いや、今までの結構長い映像人生、これからどれだけ続けられるかわからない映像人生などが思い浮かびブワッと涙として出てしまいました。これって私自身のドキュメンタリーみたいだなぁとか冷静に脳内では思っているのに涙が溢れ出る面白い経験ができました。
40代 男性

〈おまけ〉

今回の生存戦略合宿。メインはワークショップでしたが、しっかり浜松も満喫しましたよ!

・バスの中では大石さんが浜松ガイドに大変身。浜松市内や浜名湖、さらには通り道にあった大石さんの高校エピソードまで、参加者の皆さんに楽しい情報をぶっこみます(笑)

・朝食と夕食、それはまさに郷土料理のバイキング!静岡の海からやってきた新鮮な海鮮が、皆さんの舌をハッピーにしました♪そして、浜松の名物、うなぎ!これが食べ放題だなんて、もうおかわりし放題でしたね!サゴーロイヤルホテル最高!

1日目の海鮮メニュー。2日目は焼肉です。

・2日目の午後、アイデア作りで頭を抱える参加者の皆さんに突然のサプライズ!浜名湖をぐるっと回る遊覧船に、みんなでワクワクして乗りました。その日のお天気は絶好調で、水面がキラキラと輝く最高の遊覧日和。みんなの笑顔、まさにサンシャイン!このリフレッシュ、ばっちり効果ありましたね。

・2日目の懇親会ではドキュメンタリー映画監督の岸田浩和さんが登場!「岸田流生存戦略会議」なんてテーマで、ジャーナリズムにビビッドなドキュメンタリーを作り上げる秘訣を披露。皆さんの驚きの表情がたまりませんでした!やっぱり岸田さん、行動派ですね!

おわりに

こうして無事に3日間が幕を閉じました!
静岡新聞にも取り上げていただいた今回の合宿。3日間を通して、参加者の皆さんの映像制作に対する熱い想いに沢山触れることができました。鬼のような厳しい3日間でもありましたが、今回の学びや仲間との出会いが参加者の皆さんの今後の糧になれば、事務局一同それ以上嬉しいことはありません。
今後、今回の参加者の中からビデオグラファー界で名を馳せるような活躍をする人も出てくるかもしれませんね。これからの皆さんの活躍が楽しみです!またいつか生存戦略合宿を開催できますように!



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