サイギョウマイブーム御裳濯河歌合・宮河歌合
もう今年も12月。
終わるのも悲しいけれど、イベント多くてワクワクしている。
去年アドベンドカレンダーの企画に参加して楽しかったのを思い出したから、ワクワクを記して残しておこう。
現在、西行マイブーム。西行系の積読を消化しつつ、中世神話系の本も同時摂取すると当時の歴史と宗教観もわかって面白い。
ちょうど良いところに五島美術館で西行展が開催中だったので、行ってきた。
https://www.gotoh-museum.or.jp/event/open/
https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/7291
展示の導入は、平治物語絵巻から。
中世の公家から武家ヘと権力関係がかわっていく時代に生まれて、戦禍の中、西行は生きた。
北面の武士をしていた頃に出家。
世俗との関係を絶妙なバランスを保ちつつ、表舞台には立たなかった故に長生きしたよなぁと思う。
家系的には藤原の流れをくんでいて、東北の藤原秀郷とも縁付いていたり、
北面の武士時代には同期に清盛がいたり。
鳥羽天皇と、崇徳天皇とも縁がある。
政のいざこざに巻き込まれていてもおかしくない。
真筆、伝承筆など見られたわけだが、正直、違いというのはまだまだわからない。ちょっと悔しい。
大学時代必修だった連綿講義で、手で書くのでなく、筆先の力で書くのだと言っていた先生の言葉が思い出される。
講義の終わり側に、やっとわかった? と先生から言われたが。
それから一人で書いてるだけでは思うように身につかない。
もうちょっと頑張って読めるように? 違いがわかるようになりたいものだ。
展覧では、解説があっても、該当箇所に矢印で記されているわけもなく、
開かれてある書をなんとなくじっと見てると
ああーこれが和歌の部分か? なんてわかったり分からなかったりして、
一人楽しく見ていた。
そんな感じで見ていると、
山家心中集で、
願はくは花の下にて春死なん その如月の望月の頃
を見つけることができて歓喜。
晩年、翌日16日に西行は亡くなっている。当時としてもかなり反響があったことを読んだ本で知った。
個人的なハイライトは、
御裳濯河歌合・宮河歌合を見られたこと。
公の舞台の歌合には西行は参加してこなかったはずだが、西行は、自分の和歌で歌合を試みた。
確かこれは、西行が初。というより一人で普通歌合しないだろうな。
判者は藤原俊成、定家に依頼。
残念なことに、やっぱり書は読めなかった。
実際に目の前にしてみると、判者の説明書きの詳細さとか、
宮河歌合の定家がどんな気持ちで書き上げたのか考えられてよかった。
定家は歌合に、なかなか昇進できないと愚痴をはいているそうで、
歌合を完成後、十何年ぶりに昇進を叶えたという。
それも西行のおかげとも言われていると読んだ本に書かれてあって胸熱。
西行は、祈願が叶うことがあって、霊験あらたかな人物だったらしいが、色々な逸話の主人公になっているのもそういう理由から何だろうか。
円位(西行)書状の、宮河歌合の催促文にも迫力を感じた。
西行は、催促する歌合(定家は宮河歌合担当)を間違えたと本で読んだけど、
特にそれは触れられてなかった。
実際に書状を目にしてみると、乱れ具合が想像せられて、迫力がある。
晩年は、寝たきりだったのだろうか。
まっすぐ書くのも難しかったのか?
それとも紙がもったいなくて、書き散らしたのだろうか。
とにかく、西行の歌合にかける思いが伝わってくる。
近世にかけての受容も展示にあり、撰集抄よりも西行物語の方が、受けている理由が気になる。
今も、西行物語は色んな版が出てるけども、撰集抄は岩波文庫だけだし。
今日、古本で撰集抄を買った。ホクホクである。
最近読んでいる本。
一番まとまっていて、かつ面白い。
和歌の解釈が深い。
なんと現在(22年12月)Kindle Unlimitedに入っている。
サイギョウの話が面白い。
読み物として、スルスル読める。