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小説書いたことない人が何十万払って創作講座に行った話


 とある創作講座の新規の募集が秒で埋まったと聞いて、驚いている。その名もゲンロン大森望SF創作講座だ。自分が4期5期と参加した時からさらに人気になっている。

 今までは、基本的には先着順なので、募集が始まったらすぐにトライするしかなかった。今年は抽選枠があるからまだ残りの枠で参加できるかもしれない。

 その注目度というか、絶対!参加したいという人がたくさんいるんだろう。継続受講生も多いのかもしれない。

 自分が入ったころも、もちろん小説書いて何年目、最終候補、何次通過…という人はいたけれど、最近の傾向だと現役のプロ作家が別の路線で書くために来ている…という人がゴロゴロいる印象だ。

 新しい書き手を知ると純粋にわくわくするし、どんなものを書いてくるのか楽しみだ。

 そんななかで、全く書いてない人が、どれだけ参加しているのかが、気になっている。

 小説を書いたことのない人、でも創作に興味があって思い切ってえいやっ!と、約30万円を支払う。

 そんな場に飛び込むのは、年々勇気が入るなぁと感じる。

 Twitterで見かけた講座のお知らせに、小説書いたことがないのに面白そうと飛び込んで、4期から5期と連続受講して、今でも創作を続けている人の話。


小説の作法を知らない


小説を書いたこともなければ、小説のお作法をよく知らずに飛び込んだ、素人の素人だった。


そして、この講座は、小説のお作法を体系的に教えることはない。とある参考図書リストが配布され、そこから自分のレベルにあったものを読んで学ぶスタイルだ。


どうやって、書けばいいか。何から書けばいいのか。

投稿システムの使い方、梗概の書き方、アピールの仕方、実作の書き方。

参考図書読むだけでなく、アイディアを考えて、調べて、プロットを立てて、物語生み出さなければならない…

これって全く書いたことがないと結構苦しい。


1回目、2回目はまだ頑張れる。でも、3回目、4回目…と続きてくると大変にキツい。評価されないとなすすべもない。

SFとはなんだ?と 暗中模索してSFっぽいものを出力しても意味が無い。

あまり評価されないとなかなか他の人とも喋りにくかったりするし。自己肯定感が下がる。モチベーションがなくなる。

この頃からだんだんとフェードアウトしてしまう人がいる。自分もちょっと諦めかけてた。

どうしようもなく縋ったのは、感想交換会という、お互いが投稿した実作や梗概などを読んで感想を共有しあう場だった。

そこで、小説のお作法を教えてもらって、セオリーみたいなエッセンスをもらえた。

あの場があって本当に最後まで梗概をなんとか出し、なんとか最終実作まで出すことができたのだった。


コミュニティの存在


講座自体はかなり厳しい。毎回投稿していても評価されないのはツラい。
だから、受講生コミュニティで繋がっていくのかもしれない。他の創作講座と比べても、仲がいいと評されるのをよく聞く。


投稿作の感想を共有したり、されたりしながら接続していくのが一つの手だ。

5期の時は投稿する前の梗概をスラックで読み合う流れもあって、それもすごく助かった。
感想交換会もできるだけ参加し続けた。

当時はラジオで投稿作全てに言及するという試みもあって、自分がなんとか実作を書いて初の得点を取れた(!!)のは、投稿すれば読んでもらえるという安心感があったからだ。


たまたま五反田近くに引っ越していたこともあって、二次会に参加して講座に以外の好きな小説やコンテンツの話をすることができてとても良い楽しかった。


書き続けるためのモチベーション維持として、コミュニティに接続できたことが大きかった。

最終実作を何とか出せて! 惜しい作品として言及されたのは、ビギナーからはじめて1番嬉しいことだった。


ゆるく繋がる


講座が終わった後もコミュニティの継続は続けられる。

元々、SFというジャンルがファンダム文化を持っていたのも大きいのだろう。いろんなイベントに接続する術があるのだ。

ぱったり消息を絶ってしまう人もいるけれど、書く書かない問わず、楽しいから参加するだけでもコミュニティに繋がっておくのはいいと思う。

そもそも、小説を好んで読んで書いている人なんてめちゃくちゃ他のコンテンツと比べたら少ないのだ。ジャンルを絞れば絞るほど減るものだ。せっかく本を読んでる人と知り合えたら話したいもの。

読書会が不定期、定期で催されていたり、同人誌を主催したり、寄稿して参加したりといろんな選択肢がある。

そういえば、あの人はあの分野に強かった…と印象づいていると、お仕事の話を回してもらえたりということもある。

公募に出す際に、講座生に頼んで読んでもらう…なんてこともある。


創作講座に約60万円ペイして、創作を続けることはもちろん、それ以上のものが手に入っている気がしている。



SF創作講座同窓会が開かれた今日、
そんなことを帰りの電車で思って一気に書いた。


12月の文学フリマ出るよ

いくつか参加させてもらう予定だ。

怪獣文藝アンソロジー

豪華なインタビュー記事もあるらしい!
書かねば…


V系SF


 今回は丘です!


サメSFアンソロジー

サメループもの書きたい!


自分でもいつか同人誌作りたいー!
おわり。

良かったら応援よろしくお願いします。たくさん書くと思います。