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[図書館が出来るまで①]サードプレイスとしての図書館

 どーも。よーたです。昔の課題を振り返っていたら、むちゃくちゃ自分が何も考えずに設計課題に取り組んでいて、むちゃくちゃアホだと恥ずかしくなりました。(いっぱい成長しました)
 今回は、僕が以前設計課題で取り組んだ図書館課題の「課題内容の再確認」と「自身の課題の振り返り」を解説していこうと思います。

「サードプレイスとしての新しい図書館」を読み解く

 課題のタイトルは「サードプレイスとしての新しい図書館」ということです。そして、まず皆さんが注目したであろう「サードプレイス」とはなんでしょうか?そこから解説していきます。

 ①サードプレイスとは

 サードプレイスとは社会が多様化する中で生まれた新しい居場所の概念です。住宅(ファーストプレイス)と職場(セカンドプレイス)でもない、自身のために時間を使える新たな居場所です。
 ここで、注意してほしいのが、じゃー、サードプレイスは趣味のための場所だと断定してしまうことです。当然、サードプレイスで趣味をしてもいいのですが、ここを規定してしまうと、面白いプログラムはうまれなくなってしまうかもしれません。広い意味でサードプレイスを捉えると可能性が開けて行きます。

 ②地域を整理する

スクリーンショット (373)

赤く塗ってあるところが図書館の敷地です。

スクリーンショット (377)

上は公園の写真です。緑はいっぱいあるけど、人は全然いません。

スクリーンショット (376)

上の写真は、川沿いの写真です。右側が図書館、左側が川です。

北:川沿い
東:公園
南、東:住宅街
南に数百メートルいくと駅がある

 ③プログラムを整理する

設計条件
容積率:400%(全部の床の面積を敷地の大きさで割ったもの)
建蔽率:80%(建物が建っている面積を敷地の面積で割ったモノ)
敷地面積:2040m²
延べ床面積:2000~2500m²(全部の床の面積)
蔵書数:17万冊(開架図書:4割、閉架図書:6割)

 前提条件はざっくりとこんな感じです、分からない人はここは飛ばして読み進めても全く問題ないです。

 そして、図書館で重要なのは当たり前ですが、本です。ただ、本の収納には大きく分けて2つの種類があります。
開架図書:お客さんが手にとって触れる本たち
閉架図書:お客さんが触れられない、書誌の人たちのみ触れる

 この2つをどうやって配置するのか、ここら辺の検討の余地はありますね。

では続いて、自身の設計を振り返っていきます。

防災に着目した建築を抽象化させて

 ①近年増える水害を建築に反映させて

 近年、川の氾濫などの水害が増えてきています。この図書館を私が設計したのは2019年ですが、2020年も熊本など多くで災害が起きています。そんな状況を踏まえて、川沿いにある敷地から歴史のある本を守る図書館がいいなー、と思いコンセプトに

「本」と「人」を守る図書館

という風にしました。安全という大前提が人々の生活の余白を作るサードプレイスには重要なのだろうということで、これでいきました。実際に、この敷地のハザードマップは危険地帯となっていました。
 さらっと言いましたが、こういう危険地帯とかの客観的データがあると心強いですね。

 ②ピロティと柱で構築する

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ピロティ:1回を柱などの構造だけを残して外部空間とした方法 

出来上がったのがこんな感じのやつです。(模型が汚いのは2年間保管していたからではありません。純粋に下手だからです)
 太い柱で本を図書館をダイナミックに上げて、川が氾濫しても本が浸水しないようにしました。ちなみに柱は4m×4mのどでかい大きさで中に人が入れるようになっています。また、ここが安全だと利用者が認識しやすいように、柱を外観からでも見えるように外側に出しました

スクリーンショット (367) - コピー

 内観は、こんな感じです、正直なにも考えてないに等しいです。本を探すところと勉強するところをコアとしてその周りを回遊できるような感じです。

 ③課題点

課題としては大きく分けて4つあるかなと思っています。

1.上と下が断絶されている
2.従来の図書館の意義から考え直す
3.柱が上まで上がっていて、ちょっとダサい
4.想定利用が少し微妙

1.上と下が断絶されている
 ピロティで持ち上げてしまったがために、下の芝生の空間と上の図書館が完全に分離されてしまっています。そのため、そこを視線的に活動的に繋がりを演出する必要があるかなと思いました。

2.従来の図書館の意義から考え直す
 根本的な問題としてインターネットがここまで発達した時代に図書館のあるい意味というのはなんだろうか?さらに、蔵書数がそこまで多くない地域の図書館の意味はなんなのかここの視点からも考える必要がある

3.柱が上まで上がっていて、ちょっとダサい
 これは、単に改善すればいいかなと思います。

4.想定利用が少し微妙
 先ほども言いましたが、中身に対しての考えがまだまだですね。どういう風な利用がお客さんが求めているのか?どういう機能が必要なのか。これらの考えをもうちょっと深めるひつようがある。

 以上になりまーす。次回はいよいよ、コンセプトの練りを説明していこうかなと思います。

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