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石巻のホヤ雑煮

はぴみんのずんだ党フードサミット 雑煮編 もっと深掘りトーク④




ホヤは、宮城県のプライドフィッシュ。


宮城県地域マップより加工


宮城県の石巻地域では、約1000年前の平安時代前期から、ホヤが好んで食べられていたという記録が残っているそうです。
養殖は、約120年前、宮城県の唐桑村(現気仙沼市唐桑町)で始まりました。
現在、宮城県では、牡鹿半島以北の鮫浦湾から気仙沼湾にかけてホヤの養殖が行われています。
複雑に入り組んだ入り江のリアス式海岸と豊富なプランクトンに富む三陸の海は、ホヤの生育と養殖に適しています。
ホヤは、漁師が選んだ宮城県のプライドフィッシュの1つです。
震災や輸出減の影響で、2019年度の生産量は全国2位となりましたが、消費量も依然全国トップクラスです。
100g当たり30kcalという低カロリーで、豊富なビタミンとミネラルを含んでおり、食事での摂取が難しい亜鉛や、がんを抑制する効果が期待されるグリコーゲンやビタミンB12なども豊富に含んでいます。
鮮度のよいホヤの甘く爽やかな味わいは、「まるで “海そのもの” を食べているみたい」と評されます。
(「漁師が選んだ、本当においしい魚 PRIDE FISH」HPより)

ホヤは、その姿から別名「海のパイ ナップル」とも呼ばれています。
(中略)
ホヤには、人の味覚の基本となる甘味・塩味・苦味・酸味・旨味のすべてが揃っていると言われています。

気仙沼地方振興事務所水産漁港部「気仙沼水産漁港部だより 2023.7」より
https://www.pref.miyagi.jp/documents/16731/r5_july_seasquirt.pdf


ところが、なんと! 海水温の上昇で、ホヤやカキなどの養殖に、壊滅的な被害が出ているというのです。



このまま温暖化が進んでいくと、宮城の養殖業はどうなっていくのでしょうか? とても心配です。
しかし、こういう時だからこそ、世界3大漁場の1つである三陸・金華山沖の恵みで、多様で豊富な海の幸に支えられてきた石巻のホヤ雑煮という文化に改めて注目したいと思うのです。

ホヤ雑煮は、2022年に、文化庁の「伝統の100年フード部門〜江戸時代から続く郷土の料理〜」に認定されました。

具材は地域や各家庭によっても異なりますが、主には、宮城県産米を使った角餅、ほや、たこ、ほたて、あわび、はも(あなご)、つぶ貝、せり、大根、ニンジン、なると(練り物)や紅白かまぼこの上に、「河北せり」といくらをたっぷりとのせます。蒸しほやは出汁をとる目的と、橙色の色合いから、鏡餅の上に乗せる橙(だいだい)と同様に子孫が代々繁栄することを祈念しているという説もあります。

文化庁「全国各地の100年フード」より


宮城の「みやこがねもち」は、もち米の最上級品。

今回、自宅でホヤ雑煮を作るにあたって、お餅は、宮城が誇るもち米の最上級品「みやこがねもち」100%の角餅を使いました。中でも、こちらは特別栽培米から作られたものです。

「特別栽培米」とは、一般的な栽培方法(慣行栽培)と比較して「栽培時に使用する農薬や化学肥料の使用量を半分以下に減らしてつくったお米」のことを指します。地域の土や水、生き物を守り、育もう、田んぼの環境をよくしていこうという気持ち ~ 環境にやさしいお米づくりが始まっていることから、「環境保全米」とも呼ばれています。

タカラ米穀株式会社HPより


お米の生産量が全国5位の宮城県には、ササニシキ、ひとめぼれ、つや姫、だて正夢、金のいぶき、と個性際立つ美味しいお米のラインナップが揃っています。

夏の日照時間が長く、夜は涼しい、特有の気候。
400年前、伊達政宗公が開墾に力を入れたことで広がった、肥沃な土壌。
奥羽山脈から流れ出る80の川がもたらす、驚くほど清らかな水。
宮城県には、お米をおいしく育むために必要なすべてがある。
日本有数の米どころと称される理由は、ここにあります。

「明日の元気!宮城米」HPより

宮城のお米は、 ↓ からお取り寄せできます。
ぜひ、各銘柄を食べ比べてみてください (^o^)


セリの生産者さんに感謝です!

 河北せりは、岩手県から連なる北上山地の南端にあたる石巻市河北地区で栽培されています。地下から湧き出る豊富な伏流水を利用し、ほ場(セリ田)の畦畔を高くして水深を確保することで、茎葉部が長くなったセリになるのが特徴です。香りは清涼感に溢れ、食感はシャキシャキと歯切れが良いことなどが高く評価されています。

JAいしのまきHPより

このJAの河北セリ栽培動画を見ると、冬の寒さの厳しい時期に、農家のみなさんは胸まで水に浸かって収穫作業をなさっています。美味しい宮城のセリをいただくことができるのは、この方達のご苦労のおかげだと思うと本当に頭が下がります。
セリは、名取市で県内の6割が生産されますが、ホヤ雑煮には、地元石巻市で栽培されている河北セリが使われます。

宮城が日本一の生産量のセリは、お雑煮の定番野菜というだけでなく、鍋の主役としても近年クローズアップされています。
来月のはぴみんのずんだ党フードサミットでは、宮城のセリ鍋をテーマにお話ししますので、よろしくお願いします \(^o^)/



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