ハピバト!バーチャルエンターテイナー

実際にいる動画配信者が主役の小説、視聴者参加型のセミノンフィクション! 瑛斗と八広に…

ハピバト!バーチャルエンターテイナー

実際にいる動画配信者が主役の小説、視聴者参加型のセミノンフィクション! 瑛斗と八広にS.S.と名乗る人物から「G社の計画を阻止してほしい」という内容の怪しいメールが届いた。よくわからないまま、VRの世界ネオガイアで配信を始めた二人は、少しずつG社の計画に巻き込まれていった。

最近の記事

  • 固定された記事

もくじ

第000話 一歩! 第001話 衝撃! 第002話 夢への一歩 第003話 怪しいメール 第004話 ハピバ島 第005話 アバター制作権 第006話 理想郷 第007話 感謝祭ゲスト出演 第008話 史上最大の特大広告イベント! 第009話 オレの夢 ――番外編 オンチ卿の来襲!?(前編) ――番外編 オンチ卿の来襲!?(後編) 第010話 新しい挑戦 第011話 ドロピとの出会い 第012話 始まり 第013話 ドロピからの贈り物 第014話 楽曲!! 第015話 バトル

    • 第018話 焦り

      ――数ヶ月前。  瑛斗先輩の配信に色々な問題が起こった時、オレたちはこのまま進んでいっていいのかと自問自答する様になった。  オレがこのままだから先輩も一歩を踏み出せないんじゃないか。  オレがもっと動けば先輩も変わってくれるんじゃないか。  そんな事ばかり考える様になった。 「やぁ、ハチピ。今日も訓練?」 「クゥイン……。いや、まぁ……そうかな……」  闘技場で剣を振っているとクゥインがやってきた。白のハピバトスーツ。オレと色違いのそのスーツはS.S.さんが敵対し

      • 第017話 嘘をつかない

         ネオガイアには私の専用ルームがある。そこに一人の人物を呼び出した。 「お久しぶりです、サキさん。珍しいですね、私を呼ぶなんて」 「こんにちは、クゥイン。本当、久しぶりね。たまには幹部とのコミュニケーションも取っておきたいなと思って。ゆっくり話せたらいいなと思ったんだけど、いいかしら?」 「ええ、もちろん」  私のルームはモルディブのリゾートホテルのような海に浮かぶコテージだ。クゥインと海を眺めるために置かれたソファーに座る。 「どう? 楽しくやれているかしら?」 「は

        • 第016話 白いスーツ

           瑛斗先輩と向かったバトルフィールドは、コロッセオみたいな施設ではなく、ただの森だった。 「へぇ~、隠れながら戦ったりできるので、戦略とか考えたりも出来るんですね」 「でも、相手も戦略を使ってくるってことでしょ? 僕たちに勝てるかなぁ……」 「まぁ、遊びですし、とにかくやってみましょう!」  練習も殆どしていない俺たちが勝てるわけがない。それが分かっていたから、オレは逆に気楽だった。  森の中には小さな広場にあって、そこでモニターと掲示板、受付けのボタンを見つけた。

          第015話 バトルフィールド

           ネオガイアの中にはG社の支社がある。ワールド名はセントラル。そこに浮かぶドーム型の無機質な建物では、ネオガイアのシステムを管理している。  私はフィリップとアキトと暮らすネオガイア内にある家からダーウィンを操作し、G社のシステム管理部門の部屋に転移する。 「おはようございます、サキさん」 「おはよう」  すでに出勤している技術者達が私に視線を向けた。 「今日のバグも多いわね……」  緩やかな弧をを描く壁には、数十個のワールドが表示されている。  ユーザーから報告が

          第014話 楽曲!!

           私が助けを求めるようにメールを送ってから数か月が経った。  フィリップとアキトを見送った私は、自分のデスクに座り、とあるフォルダを開く。listと書かれたファイルにはメールを送った人物が並んでいる。一人ひとり順番に状況を確認していくと二人の人物に目が留まった。  水木瑛斗と鈴山八広。  何人かに送ったメールの中で活動的に動いているのはこの二人だけだった。 「思った通り、二人一緒に活動しているのね……」  この数か月の動きを調べてみると、彼らはVtuberとしての活

          第013話 ドロピからの贈り物

           6月27日。  配信を行うため、いつものようにハピバ島に入った。  んん? なんかいつもと雰囲気が違う?  何故かそんな風に感じながら、僕たちはいつものようにコンテナに入った。 「あれ? なんか鏡が白い?」 「え? あっあっ! びっくりした!!」  八広に言われて鏡を見ると、今度は鏡が真っ赤に染まる。しかしそれは一瞬で、またいつもと同じ鏡に戻った。 「え、何? 何? 何か一瞬変なの映りましたよね?」 「こーわっ。こーわっ……」  僕も八広も混乱。  八広が鏡を調

          第013話 ドロピからの贈り物

          第012話 始まり

          「もって一年でしょう……」 「そんな! この子はまだ八つなのよ! お願いします! なんでもしますからっ!!」 ――……ママ? ……ママ! 「ママッ!」  いつの間に寝てしまっていたのだろう。私はパソコンの前で飛び起きた。横を見ると怒った顔をした息子……アキトがいる。 「ごめんね。お母さん、またここで寝ちゃってたわね。ご飯、今用意するから」  私は笑顔を作り、アキトの頭を撫でた。満足したのかお腹減ったと一言残してリビングへ走っていく。私も立ち上がり伸びをしてリビングへ

          第011話 ドロピとの出会い

           新しい挑戦を始めることにしたオレ達は、S.S.さんの言うVTuberに重点を置いて活動を始めた。 「アバターを貰ってから二か月経ったけど、S.S.さんから連絡がないのはやっぱりまだまだっていうことだよね。なんか不安は拭いきれないな……。もっとS.S.さんとコンタクトが取れたらいいのに……」 「そうですね……。このままでいいのか。とか、どうやっていったらG社の野望を阻止できるのかって知りたいですね……」  すぐに見えない結果にオレ達は少なからず焦っていた。  しばらく沈黙

          第010話 新しい挑戦

           広告イベントでお互いにフォローしてくれる人も増えた。だけど、もっと多くの人に僕たちを知ってもらいたい。ファンを増やしたい。そんな気持ちが二人の間で大きく芽生えていた。 「どうしたら増やせるんだろう……」 「やっぱりSHOWLIVEだけではなく、他の媒体への露出も必要ですよね。S.S.さんが言うVtuberとしては全然なりきれてないので、そこに重点をおいてみるのがいいかもしれませんね」 「S.S.さんかぁ……。未だにG社の野望は謎のままだけど、Vtuberとしての活動が活発

          ――番外編 オンチ卿の来襲!?(後編)

           ハピバ島へ入るには、まず真っ赤な壁のエントランスを通らなければならない。そこに今、エピトとハチピがいた。 「ねぇ、本当にオンチがあると思う?」 「すみません、オレが友達がいないなんて言っちゃったから……。と、取り合えず見てみましょう! もしかしたらないかもしれないし!」 「わああああ!! ってか警報って書いてある~~~!!」  ハピバ島に入るための扉に"警報"という文字が浮かび上がっていた。  嫌な予感がしつつも扉に手を伸ばし、中に入る。 「え……。ちょ……」  二

          ――番外編 オンチ卿の来襲!?(後編)

          ――番外編 オンチ卿の来襲!?(前編)

           黄色い髪のたくあん眉毛が特徴的な可愛らしい女の子が、とある部屋でウサギのぬいぐるみと会話をしている。 「トオンくん。今日もブロスト楽しかったね! でも、まだまだ練習しないとダメだね~」  今、困り顔の彼女の名前は東雲めぐ。高校二年生である。瑛斗(エピト)と八広(ハチピ)より年下ではあるが、SHOWLIVE配信者としての先輩だ。  一緒におしゃべりをしているのは、高性能AIを内蔵したうさぎ型のぬいぐるみのトオンくんである。  めぐちゃんは、毎週金曜日にトオンくんと二人でを

          ――番外編 オンチ卿の来襲!?(前編)

          とうにゅうバナナ音頭 カラオケ版無料配布

          ポッカサッポロさんから”バナナ豆乳飲料”を差し入れていただいたことを記念して、「とうにゅうバナナ音頭」を作りました! 歌ってみた/踊ってみた/BGMなど、利用規約の範囲内であれば自由にご利用いただけます♪ ★利用規約 ■SNSに投稿するするときは、下記のハッシュタグをつけてください。 #はぴばとうにゅう ■作品には下記のクレジット表記をお願いいたします。 とうにゅうバナナ音頭 作詞作曲:佐藤知之 ■GFG(具現化二次創作ガイドライン)に従ってご利用ください。 https:

          とうにゅうバナナ音頭 カラオケ版無料配布

          第009話 オレの夢

           イベントが終わってから数日が経ち、瑛斗先輩がどんな想いでイベントに臨んでいたのかを知った。 「絶対一位!」  その言葉に隠された真実は、オレのためでもあった。納得もしたし、知ることが出来て良かったとも思う。だけど、イベント中に教えてくれても良くない? オレ、まじで怖かったんですよ?  でもまぁ、知ってても怖いと感じていたかもしれないけど。だってあの時は、弱気な自分と決別して頑張って見ようと思ったものの、劣等感はあったから。背中を押すための言葉だったとしても、素直に感じ

          第008話 史上最大の特大広告イベント!

           『渋谷周辺の大型ビジョンで一週間放映! SHOWLIVEのCMに出演!』というイベントは、二位までが権利を得ることが出来る。  イベントの期間は、2019/04/26(金) 18:00 〜 05/06(月) 19:59まで。  後ろ向きだった八広を参加させたのはいいけど、正直僕の心の中は不安でいっぱいだった。  前回のアバターイベントで八広が悔しい思いをした。それをリスナーの皆は知っている。だから二人で同じイベントに出れば、皆は絶対八広を応援するだろう。きっと凄い差が出

          第008話 史上最大の特大広告イベント!

          第007話 感謝祭ゲスト出演

           G社の発表の翌日には、メガネ型のウェアラブルデバイス『ダーウィン』が爆発的に売れた。数日経った今は、どこも品切れで海外から直接買う人もいる位だ。  通学中や大学にもチラホラとこのダーウィンを使っている人を見かける。そして、今までVRに興味のなかった女子高生ですら、『スマホなんてダサい』と自慢げにダーウィンをつけ始めたのには驚いた。  やっぱりG社の影響力ってすげー。  ってか、オレも欲しいー!!  ネオガイアのユーザーもかなり増えた。新しいワールドが次から次へと作られて