スポットバイトが直前にキャンセル!日雇い労働のドロッポ医が労基署に申告し賃金の一部が支払われたのでそのやり方を解説します。(一部加筆・修正しました)
未払いの賃金などネットで検索すると弁護士事務所の宣伝サイトが数多くヒットする。具体的な方法が記載されているが、労働官や会社とのやりとりでネットには書かれておらず初めて判明したことなどがあったため今回noteに書いてみることにした。
2023年と言えばワクチンバブルがはじけバイト案件が壊滅的に減っていった年である。それでも紹介会社のサイトをこまめにチェックしていればワクチンバイトを細々と行うことができた。
2023年某日、ワクチンバイトに採用されていたが紹介会社経由で下記のような勤務キャンセルの連絡がきた。
筆者はこのメッセージに対して、雇用契約を結んでいるのだから休業手当として元の賃金の6割を請求した。休業手当を払わないことに同意したとかそういう違法な文章は当然無効であるからだ。しかしこれに対しての返答はこちらである。
今までは具体的な法律の名前をあげて労基署に行くことを伝えると渋々支払ってくれる会社もあったが今回の相手は手強い。粛々と労基署に申告の準備を整えた。
・労基署に申告するまで具体的に準備したもの
勤務地を管轄する労基署は遠かったため最寄りの労基署に向かった。そこでも話を聞いてくれて、労基署はほとんどの所が書類による申告を受け付けているため、電話で遠方のため向かえないことを伝えれば書類を送って受理されるのではないかということであった。また、申告する日は基本的に給料が振り込まれる予定日の翌日以降でないと給与が振り込まれる可能性があるため受理されないということだった。給与振り込み予定日は労働条件通知書に記載があるはずで、記載のない場合は勤務日の翌日が振り込み予定日として扱ってもらえる。
・勤務地を管轄する労基署へ
労基署に電話で事情を説明し書類を送付した。程なくして労働官から電話がかかってき、複数回やり取りをしたところ申告は受理された。会社側は代わりとなる仕事を振ることもできるため、勤務するはずだった日に別のバイトを入れてしまうと(代わりの仕事を労働者都合のキャンセルとなってしまうため)休業手当が受け取れない可能性がある。万が一代わりの仕事を振られることを防ぐため、勤務予定日の翌日以降に休業手当を請求した方が安全だろう。
・休業手当は支払われたが
会社側に接触してもらい振り込まれることになったのだがなんとその額は当初の給与の43%と低い。労働基準法第26条で休業手当は6割以上と決まっておりそのように記載しているサイトばかりであるがこれも実態は異なる。
日雇いの場合は73%が平均賃金となるようで、確かに厚労省のサイトにも”本人に同一事業場で1か月間に支払われた賃金総額÷その間の総労働日数×73/100”との記載がある。この73%から60%をかける形なので休業手当は基本的に43.8%になる。
これは盲点であった。今までどのサイトにも書かれていなかったからだ。しかし労働官がこう説明するからには受け入れざるを得ない。
・おまけ 弁護士と相談することに関して
住んでいる自治体の無料相談を使って弁護士に相談してみた。まず弁護士に依頼する場合は着手金が0-30万とかかり、基本的に料金がペイできない。裁判になった時に請求額が140万以下なのであれば簡易裁判所のため司法書士に頼むことでき、依頼する料金を安くすることができる。このあたりは法律関係の人には常識なのかもしれないが、弁護士のホームページには当然書かれていなかった。また労働基準監督署より弁護士が強いというわけでもないそうで筆者としてはまずは労基署に行くことをオススメする。特に日雇いの未払いトラブルは労基署一択である。
念のために書くが、筆者は法曹資格がないためこちらの記載があっているか自信はない。
追記:着手金を支払っているのに全く動かない弁護士が全国で相次いでいるという報道があった。
弁護士に依頼する利点として報酬金が戻ってきた額の30%などと設定されているため積極的に動くと思われている方がいるがこのニュースのように必ずしもそうとはいえない。労基署であれば無料でしっかり対応してくれるため上記のリスクを考えても依頼したい方だけが弁護士に頼むべきだろう。どことは言えないが評判に難がある弁護士事務所も存在する。なお、過去に懲戒請求を受けている弁護士かどうかは「弁護士懲戒処分検索センター」で検索可能だ。
・まとめ
以上簡潔であるが実際に労基署とやり取りをした流れを記載した。日雇い労働者の立場だと再度仕事をもらえなくなってしまうのではないかという恐怖があるためなかなか申告ができないが、立場上弱いからこそ法律が存在する。
休業手当は具体的に6割だとか43%だとか伝えずに、手当の請求だけ行い43%以上支払われるようなら手を引く方針にしている。なぜなら賃金の100%や6割を支払ってくれる雇用主もあるため、労働者の方から43%と言ってしまうと損してしまうからそこだけは要注意だ。
労基署に申告するときも「法律では100分の60以上支払う必要がありますよね?」とすっとぼけてみるべきだ。
現在は以前の常勤先に未払いの残業代を請求すべく労基署に申告しているところだ。昼休みが0分であるためその分の残業代、宿日直許可を得ている当直中に発生した通常業務、オンコールの待機時間に対する残業代を請求予定だ。相手は大きなグループ病院の本院であり、一方筆者は弱小労働者だ。金額も莫大であることから相当手強いことが予想されるが、事成就した暁にはnoteやXで医療関係の皆様のお役に立てることを願って、出来る限り周知しようと思っている。
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