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カレーですよ4332(大久保 モンゴモロ)ジャワ漂流。

大変おもしろい店だった。
最近またちょっと、濃い目で民族色の強いアジアエスニックの店に足を運んでいる。

カレーですよ。

少しまえ、久しぶりに高座渋谷まで遠出してベトナムコミュニティのハブともいえる「タンハー」で食べてきた。そしてこの夜は同じメンバーで新大久保。

その晩の店はインドネシア、ジャワ料理というジャンルだった。

インドネシア料理といえばこれが本当に多岐にわたる民族料理の集合体で、とてもわたしなどが語り尽くせるものではない。バリ、ジャワ、スンダ、マカッサル、マナド、パダン、バタクなどの民族料理が縦横の糸を織り上げる大変興味深い地域だ。ナシゴレン(炒め飯)やサテ(焼き鳥)、ルンダン(煮込み)などが外国人によく知られている料理ではないだろうか。

特に大事なのが「サンバル」と呼ばれる調味ソースで、各家庭の味があるそうだ。トウガラシ類や塩、ニンニク、シャロット、トマト、ショウガなど色々なものを石臼ですりつぶして作られる。ナシゴレンもミーゴレンも炒めものもこれがなくては始まらない。ルンダンなどの煮込み料理にももちろん使われる。

そんなインドネシアのジャワ料理が食べられるのだという。店の名前は、

「モンゴ モロ」

日本人だがどことなく日本人に見えない感じのご主人と、ムスリムの奥様がやっている。奥様が厨房担当だ。お二人ともとても感じが良くて親切だ。

店の奥に厨房があり、その前に大きなガラスのショーケースがあってそこに料理が並ぶ。
上段には調理済みのチキン、鴨、魚、マトンなどのメインディッシュの一品が山盛りになり、下段には野菜や小魚、ナッツなどを使った副菜が並ぶ。メインディッシュはインドネシア、ジャワ料理らしくフライドスタイルが多い。揚げ調理である。

ナシチャンプルーはウリのメニュー。日本人には定食的に見えるが、言葉の意味からすると「混ぜご飯」だ。ただ、日本のスタイルと違って混ぜご飯は韓国のピビンパとも共通する自分で混ぜるスタイル。アジアで主流のスタイルだ。

ナシチャンプルーを注文するとまずこのショーケースからメインディッシュを選ぶこととなる。そしてそこに副菜とごはんがいくつか盛り付けられて、提供される。麺類や単品料理が好みならそちらも別で用意されている。
そしてこういう店のいいところ、好みや腹具合でいろいろ相談して調整するのも醍醐味だろう。基本はメインディッシュを選んで後はその日のお任せがお気軽でいい。
飲み物にアルコール類はなし。当然である。ムスリム、ハラールフードの店であるからだ。

さて、フードスタイリストのマロンさん、ベリー類のスペシャリストのベリーさんと3人で行ったこともあって、鴨、チキン、魚と3種をそれぞれ頼んでいろいろな味を楽しめた。
素朴な楽しさがある料理で、前述の通り混ぜて食べる。鶏や魚をちょいと崩してごはんやおかず、それと辛いチャンクタイプソースのサンバルを混ぜてやって食べる。混ぜ食べる料理というのはなんだか嬉しい。少しお行儀が悪いくらい乱暴に混ぜてやるのがいい。辛いけれどうまい。しかも量がある。大変だ。大変だけどおいしくて食べ切ってしまう。

ドリンクも面白かった。ドラゴンフルーツのジュースはちょっとスイカに似た青さとみずみずしさを感じる。アボカドジュースはこれはちょっと、いや、かなりおもしろいものでチョコレートソースと合わせてあり、なんとなく飲むケーキという気分でおいしいしおもしろいしで気に入った。記憶に残る味だ。

おなかもいっぱい。しばらくぼんやりしていると自分がどこにいるかが分からないという感覚に襲われる。東京にあるアジアの食堂でたまにやって来る楽しい感覚。この感じ、大久保では久しぶりだ。

さて、表に出れば大久保通りの喧騒に戻る。
大久保に戻ったつもりなのにまだからだはふわふわとスラバヤの裏通り辺りから戻らない。 楽しい夜だ。


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