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カレーですよ4319(大島 拉麺5510)異能ラーメン店のターリ。

年始、ということで挨拶兼ねて近所の異能ラーメン店「拉麺5510詣」としゃれこんだ。

台風的大雨であったが意外や店内は1席を残して満席。大したものである。

**カレーですよ。 **

さて、どうするかと思うまもなく「お時間、あります?大丈夫?」ときて注文を聞いてもらえない。これは楽しくなってきた。「定食を作りますからね」と、大滝店主。もちろんそんなメニューはこの店にはなく、おのず期待は高まるばかり。

しばらく待ってまずやってきたのがこれ。どうみても、どう嗅いでもカレーの類だ。カレーで括るとちょいと言葉足りずになりそうな、インド・スリランカ料理の部雰囲気。さて、どうか。

サバのスパイス炒め煮

強い旨味の中にその輪郭を固定するように使われたスパイスはちょっとすごい。メインの味わいは魚と塩。他のおかずとのコンビネーションでより味が生きてくる素性の良さを持つ。冷めても生臭くならないのは美点。

ナスとタマネギの炒め

ナスとタマネギが入る。強い旨味と香りにハッとさせられる。むろあじ節、大量投入による効果は絶大で、和風のイメージ、ラーメン店らしさを感じたり、しかし切り口を変えればこれはスリランカの料理ではないか、ということを想起させたり。大したものである。

ビーツのトーレン

これはビーツのトーレンだろうか、これがかなり良かった。旨味と角の丸い良い味付けでクセになること請け合いだ。強いスパイス使いもあるがその土台には優しい味のレイヤーがあり、その落差と変化の速さに楽しさ感じる。

ほうれん草の炒め

この癖はなんだろう。ほうれん草か。少し苦味が入るが尖らない味。他のものと混ぜるとよいバランスを作り出してくれる。ちょっとネパールのほうれん草タルカリ的なニュアンスを感じた。

ニンジンのクミン炒め

鼻を抜けるクミンの甘く爽やかな香り、食べると食感が残してあってそれが楽しい。京野菜の色の濃いニンジンを使用。味わい深い。

これはまさにラーメン屋さんのターリである。混ぜ食べれば混ぜ食べるほど、魚に引っ張られてベンガルなのかスリランカかそんなふうに感じてしまう。

感じ方、見方によって南アジアの郷土料理そのものにも感じられ、ダシの部分でラーメン店らしいアレンジというとりかたもできる。それはつまり、日本のラーメン屋さんの料理と南アジアの家庭で作られる料理に壁がない、共通するところが大いにある、ということ。まったく楽しいことだ。

聞けばもちろんレギュラーメニューではない。少し前にイベントを行った際に出したスパイス料理らしい。底の知れない店だ。

ねぎしお鶏ダシラーメン

南アジアのいろいろな料理に合わせるラーメンは、穏やかで優しい鶏ダシのスープが秀逸。レギュラーの鷄スープのはずなのにすごいうまい。いつまでも飲んでいたくなる。聞けばどうやらとんでもない量の日本酒をつめているらしい。そんな中、その奥にふと気がつくとほんのりとスパイスの香り。

あっ、これ、、、と気づく人は気づく、気づかぬ人は通り過ぎてしまうかもしれないギリギリの線でのスパイス使いに驚嘆。キャベツもネギもメンマもみんな甘い奥行きがあって悲鳴が上がる。うまい。

一気呵成に食べ切ってほっと一息ついていると、はやもうぼちぼち閉店時間近く。そんなタイミングで入ってきた若いお客が注文したのがカニ中華そば。おいおい、それまだあったのか。
きのうのほんいつ(本日の一杯)のはずでもうないものだと。で、注文。これもすごく面白かった。

カニ、牡蠣、鶏の強い主張のせめぎ合いが楽しいスープ。複雑な味で首を捻りつつその疑問を解き明かそうと必死になってスープをすすってしまう。はじめの違和感(敢えて)から3口程すするともう舌になじみ、止まらなくなる不思議なスープ。

これはなかなか説明するのがむつかしい。しかし、凄いものであることは揺るぎない。

ちょいと食べ過ぎてしまった。
食べ過ぎまで行かざるを得ないものばかりが、正月から並んでいた、ということだ。困ったことだ。

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