カレーですよ4321（木更津　キッチン アイドル）洋食店の幸せ。

素晴らしい店だった。木更津でとても好みの洋食店に出会った。
駅からほんの少し離れた、しかし商店街も途切れもうお店はないかな、と言う感じの場所にその店はあった。

**カレーですよ。 **

控えめだが洋食店らしい外観、決して新しくはないが、だからこそ居心地がいいこざっぱりした気持ちいい店内。落ち着ける雰囲気がある。

優しい雰囲気の奥様と腕ある気さくな髭の旦那様。が2人で切り盛りをしていた。
そして出てくる料理、間違いなく美味しい、いいものであったのだ。

実はちょいと人から聞いたのだがこのお店、洋定食につくごはんにエクストラチャージでカレーをかけてもらうことができるそうなのだ。うむ、そりゃあ願ってもない嬉しいサービスだ。洋食店に訪れて何が困るかというと、カレーも食べたいのだがやっぱりハンバーグやカットレット、ソテーやピカタといった肉料理、食べたいではないか。

それでもういつでも本当に困り果てるのだが、こういうオファーは本当にありがたい。本来はメニューには乗らないサービスである。

そんなこんなもあって心穏やかなまま「イタリアンポークカツ」を頼んだ。もちろんごはんにカレーを追加してもらうお願いも忘れない。

さて、

**「イタリアンポークカツ」 **

薄切り、とはいえよくあるバラ肉なんぞとは比べ物にならぬほどしっかり厚みがあるものを使い、それにチーズ、ハムなどサンドして揚げたもの。

これが、実に旨い。

うえにかかったトマトソースの味も含めて実に「いい塩梅」の味付け。昨今のチェーンメシ屋のようなトゲトゲと強い味にしていない。豚肉はきちんと嚙み応えあり、噛めばきちんと旨味がやってくる。衣はガリっとくる感じの仕上がりで、これもいい。添えられたサラダも美しくボリュームもあって上出来だ。

カレーもとてもよいものだった。

洋食のレストランが意思を持ってきちんと作った、という感強い大変によいカレー。香り高く、上品でおかしな出っ張りへっこみがない。完成度が高い故、余計なことをしなくていいわけだ。
なんと伝えればいいのか、こういういいものは。言葉にするとありきたりだが、きちんとコックの意思とその腕から料理に伝わる魂のようなものを感じる良カレー。
ポークのブロック肉、口に運べばその旨そうな脂身が幸せにとろけて天にも登らん気分だ。

福神漬け、らっきょうと共にレーズンが用意されるのも嬉しい。らっきょう、とても好みで嬉しい。甘く、ほんの少し酸っぱくてまったくカレーにジャストフィットしてきて悲鳴をあげたくなる。

食べ終わり、ホッとしてジンジャエールを飲んでいるとお店のお二人が話しかけてくれた。見かけない顔だがカレーを追加でかけてもらうサービスを知っているので以前来たことがありました？とのこと。

人づてに知ったことやカレーも洋食も好きで選べなくていつも迷って困っていることを伝えると面白がってくれた。

どうやらたまにやってくる、どこかのテレビマン風に見えた様子。ロケハンなのかと思ったそうだ。いやいや、わたしはただのカレー好き、洋食好きなだけなんですよ、と笑い、ご馳走様を伝えて店を出た。

よい店を知った。

木更津に来る理由がまた増えた。

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