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カレーですよ4299(新宿成子坂下 ターリー屋 新宿フロントタワー店)わたしが撮ったインドの写真と東京インドカレーという分類。

本当にこれは自慢したい、胸を張りたい話なのだが、わたしの撮った写真を常設展示してくださっているカレー専門店がある。本当に心から感謝をしている。

カレーですよ。

体としては、そこの社長が「はぴいさんのインドの旅の写真を店で使わせてください」というオファーの形で、使用料という名目でギャラを出してくださっている。

大伸ばしにしたわたしの写真を店のインテリアとして使ってくださっているのだ。これは写真を使うので使用料を払います的な構造ではまったくなく、アーティスト支援なのだと今更ながらに再認識をしてはその温情に胸が熱くなる。

そんなお世話になっているレストランが新宿を拠点に都内で軒数を着実に伸ばしているインドカレーのチェーンレストラン、ターリー屋。総帥の吉川社長はいつでもどういうわけか、どこかからわたしを見てくださっていて、困窮しているわたしをタイミング見計らったように助けてくださる。

ターリー屋グループは、もう10年以上前から看板にターリーという言葉を使い、インドの定食として、東京の街で、サラリーマンが牛丼やラーメンを選ぶその気楽な食事の選択肢にインド料理も横並びに並べてやろうじゃないか、という野心的な考えでビジネスを進めてきた。
その成果はここ10年のカレー業界の動きを見れば一目瞭然だと思っている。その果たした役割は大きなものがある。

巨大な写真を見られるのは、

「ターリー屋新宿フロントタワー店」

実はカレッタ汐留店や西五反田西口店、霞ヶ関コモンゲート店、アリオ上尾店などでも見ることができる。ただしサイズは新宿フロントタワー店がトップなのだ。

カウンターの上にぐるりと配された自分が撮影してきたインド、オールドデリーの写真。改めてあの時の旅の価値を感じたりする。

この日は

「サラダライス・キーマ定食」

を注文。

どうにもこのメニューが好きなのだ。ごはんの上にごはんが見えないほどたっぷりサラダが乗っていて、そこにキーマカレーをかけて食べるという面白いもの。お気に入りでいつも何も考えずにすーっとこれを頼むことが多い。当然ながらこのようなスタイルはインド本国にはなく、ターリー屋のオリジナル。

サラダという概念は西洋料理の概念だと思うのだが、アジア各国は流通やインフラの問題で(主に冷蔵、冷凍関係の普及)なかなか街中で生野菜をサラダ仕立てで食べるという文化がなかった。

半熟卵や野菜サラダなどの普及はじつは温度管理インフラに頼る部分が大きいのだ。

閑話休題。

同行者がいたのだがそちらは2色カレー定食。ナーンをゴルゴンゾーラチーズナンにアップグレード。このチーズナンが本当にクセになる。蜂蜜がついてくるのだが、もうこれで決まり。

カレーがいらないほどの個性を持つ。デザートのようなおつまみのような主食でもあるこれ。一度食べたら病みつき間違いなしだ。

昔はこういうターリー屋のようなメニュー、つまり正統派のインド料理ではないアレンジメントがあるものが忌み嫌われていた時代があった。それはつまり、日本におけるインド料理の幼い時代、インド料理幼年期であった頃のこと。作り手ではない。受け手の方の話だ。

もうこの話は散々伝えてきたが、日本にはインド料理のレストランが大変に数多くある。そんな日本のインド人コックたち。来日して、今も昔もここ日本で苦労をしながらもうまいインド料理を作ってくれる。インドのものと正反対の水分が多くてグジュグジュのトマトを使い、マトンの流通が少ないためかわりにラムを使い、東京の美味しい水道水を使い、あまり味のしない野菜で工夫を重ねて本国の味に迫るインドカレーを作る。

当時のインド料理マニアはそういう努力を見ず、考えず、また日本人やネパール人コックが作るインド料理を頭から否定したり。自分が作るインド料理こそ本物、と言い切っていたものもいた。そんな彼らにしても、残念、インドから持ってきた水も使っていなければ水分少ない味の濃いインドのトマトを個人で輸入したこともなく、東京ガスのコンロで調理している。にもかかわらず、だ。

そんなズレた物言いの人間も多かった「日本の食べ手側のインド料理の幼年期」を越えてターリー屋は一貫して「定食屋」を名乗り、日本人が食べて美味しいインドの手法を使ったカレーを提供し続けてきた。

ターリー屋のこのスタンスと味や、悪口でインネパと呼ばれていた頃の食べやすくエッヂのとれたカレー。ああいうものは、わたしはもはや「東京インドカレー」というジャンルなのだと考えている。

あれは随分前からすでにジャンルなのだ。あれがいい、あれが好きだという人が数多くいることの価値は、大きなものだと思っている。
事実、おいしいのだから。

おいしいからターリー屋は繁盛し、もう30店あまりもの店を拡大してきている。東京の、日本のインド料理の歴史と発展の中で、大きな役割を果たしてきているのがこの店だ。

そんな場所にわたしの写真が飾ってある。誇らしい気持ちでいっぱいだ。

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