カレーですよ4316(レトルト 江ノ島 ビッグサー)吉田マスターのカレー。
正月。
昨晩めまいで横になっていたら知らぬまに朝が来て、正月がやってきていた。
毎年1日は実家二軒に挨拶に出向く。が、今年は妻にその役を託し、布団の中だ。
とはいえ人間よくしたもので、具合が悪かろうが寝ていようが、腹は減る。
さて、珍しく元日カレーとすることにしよう。
選んだレトルトカレーは、マスターのカレー。マスターは故吉田マスター。江ノ島、ビッグサー のマスターのことだ。正式名称があるのだかないのだか。調べると「マスター吉田のレトルト 版キーマカレー」というもののようだ。マスターが亡くなった後、奇跡的に完成をみていたレトルトカレーが発売された。奥様はじめご家族が大事に販売をしていらっしゃる。販売会が不定期で行われるようで、その1回目に出かけて行った。奥様に挨拶をして、カレーを受け取り、形見分けに革の帽子をもらった。
さて、カレー。
温め、ごはんにかけて口に運べば相変わらずほろ苦さ。香り強く甘くない。その奥の方に何か優しさのような、旨味と深みがあって、マスターそのものの味がする。喉の奥から鼻に抜ける香り、紛れもなくビッグサーの血脈を感じさせる仕上がりに思わず唸る。
見栄えがいいわけでもなく、一口目から悲鳴を上げるようなおいしさでもない。しかし、食べるごとに、味わうごとに他に代替えのきかないものであることがわかる。これでもか、とわかってくる。他に同様なものがないのだ。吉田マスター、まったく貴重なものを残してくださった。
このカレーにはパッケージがない。今となってはマスターがパッケージまで手を尽くすつもりだったのか、それともこの愛想のない銀色の袋を完成形としていたのか、定かではない。しかしそんなことはどうでもいいのだ。この味がひっそりとだが、確実に世に残った。ただそれだけで十分だ。そのうえパワーパウダーまで作ってくださっている。まったくもってありがたい。
マスター死してカレーを残す。
まったく最後まですごいことをやってくれる男だった。
そうそう、なぜこれを正月から食べていたのか。このカレーが「元気が出るカレー」だからだ。あの店に行ったことがある人なら知っているはずだ。
「あした、元気になるよ。」
あの一言がマスターの声で聞こえてくる。
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