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あのとき、わたしはあなたと友達になりました -私を構成する5つのマンガ-

友達だから共通のマンガを読むのか
共通のマンガを読むから友達なのか

これは「鶏が先か、卵が先か」と同じ、永遠のテーマですよね。
私は保育園も合わせると5回転校しているのですが、マンガというツールを友達づくりによく利用していた気がするのです

うすた京介先生『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』

小6の春、沖縄の小学校に転校をしました。
クラスメイトが踊るエイサーめっちゃかっこいいやんけ!と感動しつつ、スッパイマンを食べたり、ハイビスカスの蜜が甘いことを教えてもらったりして打ち解けていく11歳のハパ。
が!それより何より、私とうちなーんちゅのクラスメイトの心を通わせたのは
うすた京介先生の『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』でした。
「ツー」といえば「カー」、「キャシャリン」といえば「オクレ兄さん」です。
あまりに流行りすぎて、学内でマサルさん禁止令が出ました。


尾田栄一郎先生『ONE PIECE』

鳥の雛が、はじめて見たものを親と認識することを「刷り込み」というそうです。
では、思春期の人間が、好きになったマンガを一生特別だと認識し続けることは何というのでしょうか。
数々の名シーンがありますが、印象に残っているのは、「SBSのコーナー」です。
SBSというのは「質問を(S)募集(B)しちゃうよ(S)」という意味です。

このコーナー、「SBSをはじめます!」という掛け声を、読者が先回りしてしまうという慣習がありました。
織田っち、めちゃくちゃいじられているのです。まるで読者の友達みたいに。
こんなに面白い人が書いているんだな...というか、こんな大人いるんだな...と中二心に思っていました。はじめて作者さんを意識した作品です。


安野モヨコ先生『鼻下長紳士回顧録』

安野モヨコ先生を知ったのは中学3年生のとき。
教えてくれたのは、絵が上手くて美人な同級生でした。
仮に甲ちゃんとします(甲乙の甲)。
甲ちゃんは、浜崎あゆみや、19(ジューク)の岡平健治などのイラストを添えた手紙をよく書いてくれました。
「私は甲ちゃんの絵が大好きだよ!」と伝えると、ある日、安野モヨコ先生の『カメレオンアーミー』を貸してくれたのです。
甲ちゃんの描く絵は、安野モヨコ先生の絵にそっくりでした。
私は甲ちゃんが何気なく話すアイプチの使い方からオススメのグロス制服にあう靴下の美学など、心の中で書道パフォーマンスばりの勢いでメモしていました。33年の人生を振り返ると常に安野モヨコ先生は女性としての自分を引っ張ってくれています。それは今も変わらず。
『鼻下長紳士回顧録』を思うと、私なんかまだ何にも分かっちゃいねぇ青二才だなと痛感します。


ジェントルメン中村先生『セレベスト織田信長』

ジェントルメン中村先生を知ったのは、ある推し声優のツイートがきっかけでした。

このツイートを見たときは「おぉどうしたどうした」「安心してくれ、ワシは推しの恋路の邪魔立てはせぬ質だ(当たり前)」などと思っていました。でも、これは『セレベスト織田信長』というマンガの有名なセリフだったのです。
推しが唐突にセリフをつぶやいちゃうくらい好きなマンガを私も読んでいる。
この状態はもう、友達になれたと言っても過言ではないと思います。(過言)

大童澄瞳先生『映像研には手を出すな!』

アルライターとしての私の名を世に知らしめてくれたのが、大童澄瞳先生の『映像研には手を出すな!』について書いたこちらの記事です。

こちらの記事を大童先生もRTしてくれたとき、「あ、これは嬉しい」と思いました。と同時に、「これはもう、友達になったな」とも。(危険思想)
今の時代、マンガ家の先生もTwitterを活用したほうがいいとは言われていますが、大童先生はTwitterを活用、というより掌握しています。

ライターとして、いつかインタビューしたいなと、水墨画並みの淡い夢を抱いています。


この記事を読んだあなたは私の友達になりました。ありがとうございます。
末永くよろしくお願いします。


「アル」というマンガサービスでライターをしております





#私を構成する5つのマンガ

息子がグレて「こんな家、出てってやるよババァ」と言ったあと、「何言ってもいいが大学にだけは行っておけ」と送り出し、旅立つその日に「これ持っていけ」と渡します。