見出し画像

あわい 二重のまち さいたま

以前のこちらの記事も参考に


目 [mé](さいたま国際芸術祭ディレクター)が、どこまで『あわい』を意識したか、
はっきりとよく分からない、
ですが笑


(二重のまち1)【あわい】旧大宮区役所
「…”復興”の完了したまちでの暮らしが当たり前になったとき、平らになった地面から何かを形づくっていくまでの”【あわい】の日々”が圧縮されて遠ざかり、おぼろげに消えていってしまうのではないか。語られないものは移ろいやすい…

…長かったはずの【あわい】の日々に、確かに生まれたさまざまな技術や思想が、そしていつでもどこかにうつくしさを蓄えていた風景の姿が、そこにある…」
瀬尾夏美『あわいゆくところ 陸前高田、震災後を生きる』2019

「…確たる「主体」というような、積極的な視点からは少しだけ身を引いた、漠然とした感性の【あわい】が留まる地。この地域には語りきれないほど多種多様の魅力がある…」
#さいたま国際芸術祭 2023 「わたしたち」
https://artsaitama.jp

(【】は引用者加筆)



(二重のまち2)【喪失】浦和区高砂再開発地区
「…まちの未来を考えようって言われてもね
私らみたいなばあちゃんは
若い人たちの世話になるばりだからね…」
「…戻れないのさ、
もう【なくなってしまった】んだものんな、
でもまたおんなじに戻れないかなって、
やっぱりいまでも思うんだよね…」
瀬尾夏美『あわいゆくところ 陸前高田、震災後を生きる』2019

「…それをこうだと決定づけようとした瞬間、何かふっと大切なものが【失われてしまう】、そんな感覚を伴うことがある…」
#さいたま国際芸術祭 2023 「わたしたち」
https://artsaitama.jp

(【】は引用者加筆)



(二重のまち3)【持続】宮ヶ谷塔
「・・・人を【守る】のは、まちだと思う。
まちづくりは、過去、いま、未来に、
この場所で生きる人を【守る】ためのもの…」

「…いつの間にか加担してしまうこの現実世界から少し距離を取るために、私が尚も「わたし」であり【続ける】ために、決して誰かに明確に語られることなく、とても密やかに日常に繰り広げられる、人間の「無自覚」への微かな【抵抗】…」
#さいたま国際芸術祭 2023 「わたしたち」
https://artsaitama.jp

(【】は引用者加筆)
 

(二重のまち4)【延長線】浦和美園駅
「・・・目の前の風景がうつくしくて立ち止まる。そういうことが、ここではよく起きる。足元の地面が過去と【地続き】であるならば、目の前のうつくしさも同じように、過去に存在したそれと繋がっているのではないか…」

瀬尾夏美『あわいゆくところ 陸前高田、震災後を生きる』2019

「…この時代を生きる私たちは、一体どのように「わたし」の【延長線】上に、この世界を捉えることができるだろう。あらためて、私たちが「わたしたち」をみる…」

#さいたま国際芸術祭 2023 「わたしたち」
https://artsaitama.jp

(【】は引用者加筆)



(二重のまち5)【加害性】「朝鮮人姜大興墓」(関東大震災)
「東日本大震災よりは大したことないから、と言わされてしまう”その後”の被災者たち。それを好都合とし、【見て見ぬ振り】したまま進もうとする・・・」
瀬尾夏美『二重のまち/交代地のうた』2021

「…気候変動、社会格差、分断、戦争。現代社会を取り巻く、もはや私たち自身の【加害性】を抜きに語ることのできない様々な問題…」
#さいたま国際芸術祭 2023 「わたしたち」
https://artsaitama.jp

(【】は引用者加筆)


(二重のまち6)【都市】さいたま新都心バスターミナル
「…実際につくりかけの”新しい【まち】”を歩いて感じたのは、生きている人たちはそれらの”間の【まち】”に居続けるのではということ・・・

いま暮らしている地点を”新しいまち”と捉え、”かつての【まち】”と切り離すことで、”新しい【まち】”が”かつてのまち”を潰してしまうように存在するのではなく、ふたつが同時に存在しているのだ、とイメージを持つことができるかもしれない・・・

東京も仙台も広島も・・・いまもまだ”間の【まち】”なのではないだろうか…」
瀬尾夏美『二重のまち/交代地のうた』2021

「…日本を代表する「生活都市」さいたま。人々が日本の中心地へ向かい、そして戻ってくる場所。中心へ、あるいは発展の一途へと脈々と続けられる人間の行動を、とても間近に、そしてそっと側から眺める【都市】…」
「…この客体的な空間“さいたま”から、芸術祭を、そして【都市】を、更にはこの世界を、もう一度「みる」…」
#さいたま国際芸術祭 2023 「わたしたち」
https://artsaitama.jp
(【】は引用者加筆)


(二重のまち6)【誰】見沼田んぼ
「…風景はいつの日も、
【誰か】の記憶の豊かな貯水池であるように、
と思う。
それは絵を描くことの願いでもあり、
風景への祈りでもある…」
瀬尾夏美『あわいゆくところ 陸前高田、震災後を生きる』2019

「あなたにとって「わたしたち」とは、【誰】を指すだろう…
…あらためて、私たちが「わたしたち」をみる。そんな機会を、このさいたまの地から届けたい…」
#さいたま国際芸術祭 2023 「わたしたち」
https://artsaitama.jp
(【】は引用者加筆)

好音本棚についてはこちらから↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?