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そもそも生も死もない

母が亡くなってから
変わった意識の一つに、

「死」が怖くなくなったことがあります。

今までは、
死ぬことに対して、
全てが終わってしまうような
なんだか漠然とした恐怖を感じていました。


これまで
親族や知人の「死」に触れることは
何度かありました。

それらは単純に、
物理的にその人が居なくなってしまうこと、
もう触れられない、会話ができない、
ということを悲しく感じさせ、
時間が経つにつれて
その悲しみは薄れていきました。

故人の笑顔が浮かんだり
会話した瞬間が思い出されたり、
良い思い出として脳裏に残る感覚。


母の死に対しても
同じような感覚はあります。

それとは別に、


「自分もいつか死ぬ」
ということを以前よりも深く
考えるようになりました。
 

深く考えるようになる前は、
この世からいなくなるってどういうこと?
想像できないしちょっと怖いし
やっぱりよくわからない…
その時になってみないとね…
と、それ以上は考えるのをやめる、
の繰り返しでした。


今回母がいなくなり、
死後どうなるのか?
死後の世界はあるのか?
と思ったり、

いや、むしろ魂が主で、
今こうやって物体として生きていることの方が
貴重なことなのでは?
と考えたり。


それで今たどり着いている考えは、

そもそも生や死は
人間が言葉として作ったもので、
実際はその境もなくて、
母はずっとここに「在る」のです。

もちろん物体としては無いのですが、
ただそれだけのこと。

母が61年間
意識を持ち行動し続けた、という事実と、
意識はなくなり物体としての働きは終えた、
という事実。
この2つがあるだけなのです。


そう思うと、
なんだか私自身も死ぬことに対して
特に怖いと感じることがなくなってきました。
そうすると、
なぜか不思議と
生きる気力も湧いてくるのです。

気を張らず、深く考えず、
自然と生きられるというか。


それと
怖いと感じなくなった理由のもう一つは、

たとえ死んでも母がそこにいる、

そう思えるからかもしれません。

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