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八首抄 令和5年1月号

高貝 次郎 選


今日の君取り分け話が合うようで崩したる脚組みかえしたり
財前 順士

湯にひたるあなたのせなは若いねと言葉に出して言へばよかつた
高田 香澄

十四号台風明けの庭に立ち「木守柿」とふ言葉にあそぶ
井手 彩朕子

尖塔のクルスは秋の光受け世のなべてもを清めむとする
佐田 公子

姉からの電話も消えて十五年空の青さを今日も見上げる
臼井 良夫

地蔵堂に群がる蟻の動きとはカオスに似たる秩序であろう
藤田 直樹

めがね掛け帽子をかぶりマスクして抜き足差し  足唯我独尊
宮本 照男

死なぬため生きるのでなくパチパチと弾ける時を生きてゆきたい
森崎 理加


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