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グリーンスピードによるパット距離感の合わせ方〜ゴルフ練習が楽しくなる!パターのリクツ①

パターはゴルフスコアに最も影響を及ぼすといわれています。そして、アマチュアゴルファーにとって普通のショットと比較して打つこと自体は難しくありません。(入れるのは難しいですが)

しかしながら、パター練習は単調になりがちで重要とわかっていながらエンジョイゴルファーにとって練習のモチベーションが上がりにくいという面もあります。

今回、パター練習のモチベーションを上げる目的でゴルフ素人の視点でパターの理屈を考えてみました。本記事で皆さんが実際にパットを打ってみたくなったら嬉しいです。

まずは、パットで重要な要素の一つ傾斜がない平地でのグリーンスピードによる距離感について考えていきます。40年前の中学の理科で習った等加速度直線運動の授業そのものを当てはめていますので、理科や数学の勉強が実戦に使えることをお子さんに教えるにも役立つかも知れません。

パット距離感の基本的考え方

ゴルフ初心者が総パット数を減らすポイントは、パット1打目に入れることより寄せることを考えろと皆から言われます。

寄せに重要なパット距離感とはボールを打った位置からボールがカップに入らず自然に止まる位置までの距離の感覚です。
距離感は感覚ですのでその合わせ方はインターネットでのプロの方の解説でも様々です。

ボールを打つ強さ、パターの振り幅、ボールの初速、そこまで打つという感覚を信じる等どれが良いかは人により様々な様です。

共通してプロの方々が言っているのは、自分なりに基準を作っておき、その基準からグリーンスピードや実際の距離から基準を元に感覚を補正するということです。

感覚ですので本来は計算する必要は無いのですが、パター練習を楽しくするために、計算と感覚の一致を楽しめるように今回あえて計算をしてみています。

グリーンスピード(スティンプ)とは

ゴルフ場に行くと「本日のグリーン○○フィート」と表示されているのをみたことがあるのではないでしょうか?
これがグリーンスピードと呼ばれるもので、スティンプメーターという測定器で測定されています。
測定器といっても簡単な測定器でAmazonでも購入することができます。

この測定器を使うと1.8m/sの速さでボールがグリーンを転がり始めボールが止まるまでの距離を測定しグリーンスピードとして表示する事になっています。例えば本日のグリーン9フィートと表示されていれば、グリーンの傾きの無いところで初速1.8m/sで転がせば9フィート(2.7m)転がると言うことです。

一般のアマチュアゴルファーのエンジョイゴルフのグリーンでは
 7フィート位を遅いグリーン
 8.5フィート位を普通のグリーン
 10フィート位を速いグリーン
と呼んでいる様です。

このグリーンスピード値はアマチュアゴルファーの場合は実際には参考程度にみて、自分は今日は速いグリーンと感じたが合っていたという具合に、自分の感覚を確かめるために使っていると思います。

等加速度直線運動についてのおさらい

本項は中学生の頃の教科書のおさらいですので興味のない方は飛ばして下さい。

傾きの無いグリーンでのボールの動きは等加速度直線運動という運動モデルで表すことが出来ます。等加速度直線運動は横軸を時間、縦軸を速度に取ると下の様な右下がりのグラフで表すことができます。

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この時、
・グラフにおける縦軸切片が初速度
・傾きが加速度(ブレーキ)
・横軸切片がボールが止まるまでの時間
・軸とグラフに囲まれたエリアの面積がボールが止まるまでの距離
で表されます。

つまり、打った時からボールが止まろうとする力が発生して、ボールはだんだん遅くなり、最後は止まるということを表したグラフです。

計算式では
 速度 = 初速 ー ブレーキ加速度 ✖️ 時間
 ボールが止まるまでの距離 = ボールが止まる時間 ✖️  初速 ÷ 2
で表すことができます。

グリーンスピードとグリーンでかかるブレーキ

 ゴルフ場に行くと表示している「本日のグリーン○○フィート」はどれ位の強いブレーキがかかるグリーンかの指標とも言えます。

各々の速さのグリーンで芝によるブレーキの強さに相当するブレーキ加速度を計算により求めてみると
 7フィート位を遅いグリーンでは ブレーキ加速度0.77
 8.5フィート位を普通のグリーンでは ブレーキ加速度0.64
 10フィート位を速いグリーンでは ブレーキ加速度0.54
となりました。
 数字が大きければ大きいほど強いブレーキ力がかかっていることになります。ただこの数字で感覚の基準とされている方は少ないかと思います。

初速度又は打つ距離感覚を基準としている場合のグリーンスピードの補正方法

普通の速さのグリーン(グリーンスピード8.5フィート)で2mで止まる感覚の初速度又は距離を基準としている場合に補正方法を計算してみます。この時の初速は1.59m/sになります。

遅いグリーン(グリーンスピード7フィート)の場合、普通の速さのグリーンで2.43m打つ感覚、初速10%増の感覚で打つとちょうど2mで止まるという計算結果になります。

速いグリーン(グリーンスピード10フィート)の場合、普通の速さのグリーンで1.7m打つ感覚、初速8%減の感覚で打つと丁度2mで止まるという計算結果になります。

実際には何球か打ってみて感覚を補正していけば良いのですが、計算と感覚が合っているか試してみると感覚が研ぎ澄まされてきますし、パター練習も楽しくなりそうです。

数通りのパターンの計算をしてみた計算結果を下表に示します。

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こんな計算をしなくても当たり前のことかもしれませんが、初速度とボールが止まるまでの距離はどのグリーンスピードにおいても比例していることがわかります。
 また、グリーンスピードにより同じ初速でボールを打ってもボールが止まる距離、つまり転がる距離がかなり異なることがわかります。

パターからボールへの力の伝わりとボール初速の考え方

パターからボールへの伝わり方は、エネルギー保存の法則か運動量保存の法則で計算する事ができます。理科の実験で下の様な実験用具で遊んだことがある方も多いと思います。

どちらの法則で計算するのが誤差が少ないかというと、運動量保存の法則の方が少ないと思います。エネルギー保存の法則ではボールとパターの反発係数や芝の抵抗により運動量エネルギー以外のエネルギーに変換されるのが誤差になり、運動量保存の法則は運動方向の違いと力が一定でないことが誤差要因になります。

運動量保存の法則での考え方は、パターがボールに当たる直前の速度にボールの初速度が比例するとなります。つまり、パターを振る速度を力を変えず(つまり振り幅だけで調整して)に2倍速くすると距離も2倍になります。
このことからも、パターではリクツ的には振り幅でインパクトの瞬間の速度を調整する事により距離感を掴むのが有効となります。

DIYパターコースでの実践検証

DIYパターコースで試してみました。上記のリクツは私としてはおよそ間違っていない感覚です。

最後に

パターの距離感について計算によりリクツを考えてみましたが、プロの方も計算などしていないと思います。このリクツ付けで、単調なパター練習が少しでも面白くなっていただければ嬉しいです。

下記の続編も見ていただけたら更に嬉しいです。

パットの大切さは初心者にも語られています。

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