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傾斜があるグリーンでのパット距離感の合わせ方〜ゴルフ練習が楽しくなる!パターのリクツ②

ゴルフスコアに重要なパターの練習を楽しくする試みとして、前回傾斜が無い水平なグリーンでグリーンスピードによるパット距離感についてのリクツを素人目線で紹介しました。

今回この考え方に傾斜が追加された場合のパット距離感のリクツについて考えていきたいと思います。

上り下りの傾斜がついても均等な傾斜と近似すればボールは等加速度直線運動であることにはかわりませんので、前回の応用でリクツ付けすることができます。

上り下り傾斜の影響の考え方

グリーンの傾斜は下の様な傾斜計で測定します。プロのキャディーさんも事前にグリーンの傾斜を測定しているそうです。

上りの傾斜は芝のブレーキに加えて更に傾斜ブレーキがかかり、下りの傾斜は芝のブレーキが緩和されるというのは感覚的にわかるかと思います。

式で表わすと以下の等加速度直線運動の式です。

  V=v0ー(a+g・sinθ)t

V: ボールの速度(m/s)
v0: ボールの初速(m/s)
a: 芝の抵抗によりボールにかかるブレーキ加速度(m/s2)
g: 重力加速度9.8(m/s2)
θ: 傾斜の傾き(上りは+、下りは−)
t: 時間(秒)

つまり、加速度の部分に重力加速度にsinθをかけたものが追加又は減少される形で表されます。

また、前回同様ボールが止まる距離はグラフの軸とグラフの線で囲まれた三角形の面積で求めています。

塾で高校受験生の勉強をアルバイトで教えている大学生の娘に聞いたところ、今は中学生には三角関数は教えないが、sinθの値を提供すれば説明付きで高校受験問題に出せる。つまり、義務教育の範囲の問題とのことでした。

上り下り傾斜の影響の計算

この式を元に以下のケースで前回の傾斜が無いモデルと同様に2mの距離でボールがちょうど止めるのに普通速さの水平グリーンでどの程度の距離を打つつもりでパットすれば良いかを計算してみました。

遅いグリーン(グリーンスピード7フィート)
 傾斜が無い場合:43cm先まで打つ感覚
 2°上り傾斜の場合:1m 53cm先まで打つ感覚
 2°下り傾斜の場合:59cm手前で止める感覚
でパットすると丁度2mで止まる計算結果になります。

速いグリーン(グリーンスピード10フィート)
 傾斜が無い場合:30cm手前で止める感覚
 2°上り傾斜の場合:80cm先まで打つ感覚
 2°下り傾斜の場合:74cmしか打たない感覚
でパットすると丁度2mで止まる計算結果になります。

普通グリーン(グリーンスピード8.5フィート)
 傾斜が無い場合:丁度2m打つ感覚
 2°上り傾斜の場合:1m10cm先まで打つ感覚
 2°下り傾斜の場合:丁度半分の1m打つ感覚
でパットすると丁度2mで止まる計算結果になります。

この計算の目的が練習を楽しくするためですので、是非この計算結果と皆さんの実際の感覚が合っているか試してみてください。

それにしても、同じ2mの距離を打とうとして、74cmしか打たないつもりの感覚と3m 53cmも打つつもりの感覚差があるということは、グリーン傾斜やグリーンスピードの読みが外れて大きくカップオーバーやショートしてしまう場合があることが納得できます。

上記の9通りのケースで2mの距離でボールがちょうど止まる初速とボールが止まるまでの時間の計算結果についてグラフにと表にしたものを下に示します。参考にしてみて下さい。

上下傾斜グラフ

上下傾斜表


最後に

パターの距離感が僅か2°の傾斜で大きくずれている事がわかりました。ラウンド前のパター距離感練習は平地だけでなく、上りも下りもやっておかないと距離感が身に付かない事がわかったと思います。

また、ラウンド中に感覚を調整する際も傾斜読み/グリーン速度変化/感覚のズレのどれがずれているのかを把握すると補正がスムーズにいくと思います。(という私は水平グリーンでさえ距離感が合わないのですが・・・)

パターは複雑ではありますが、ちゃんと考えれば初心者が中級者に追いつきやすい分野ではないでしょうか?この様に考えてもパター練習が楽しくなってきます。

自宅でも下記の様な少し長めのマットを使って距離感を掴む為の練習も有効かもしれません。

※続編は楽しいというより自己満足の計算になってしまったスライスライン、フックラインを計算によって考えています。

この計算をするきっかけになった話はKindle本に書いています。

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