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初めての沖縄①

もう20年近く前になるだろうか?
年齢も30後半、病気も徐々に進行し手を持ち上げる事が難しくなってきたころの話だ。

身体が動かせなくなるほど、自分の中で身体を動かしたくなった。
そんなある日、バリアフリーダイビングを知ることになるのだが、沖縄に行かないとできないと聞いた。

沖縄か・・・
当時の僕は、航空券の購入方法もわからず、この身体でどうやって行けば良いんだかわからなかった。

今思えば懐かしい思い出だ。

僕の結論は、旅行会社に頼もうと思った。

でもまだ当時は、バリアフリーって言葉だけが先行していた時代だったから、現地の沖縄の旅行会社を探そうと思った。

PCで検索するが、なかなか探せなかった。

PCでネット検索と言えば、今は誰でも簡単にできる時代だが、当時は回線も遅くYahoo! JAPANがサービスを開始したころ、ネット人口も5%ぐらいの頃だったように思う。

そんな中、一見怪しそうなホームページを見つけた。
怪しいと言うのは、いかにもシロートが作ったホームページだった。
でも、そこには僕の条件が載っていた。

旅行会社は、「カナサンツアーズ」

「沖縄でバリアフリーツアーに特化したツアー」と書いてあった。

心がときめいた。

が、本当に大丈夫か?と思った。

メールを送って返事を待ったが数日経っても連絡が来ない。

何でだろう?やっぱり怪しい会社なのか?

でも、行ってみたい気持ちが僕に電話をかけさせた。

電話に出た男性は、今まで聞いたことがないイントネーションで話し始めた。
「カナサンツアーズ仲本です。・・・」

僕は要件を話した。
自分は電動車椅子で、電動車椅子は90㎏あり、リフト付きの車で移動できないと困る。
ホテルは、バリアフリーで段差があると困る。
そして、バリアフリーダイビングをやってみたい。
期間は、2泊3日。
これでツアーを組んでもらえますか?

と伺うと大丈夫との事だった。

12月の出来事だったと思う。

同行者も必要だ。

この頃、ボランティアの医学生S君が僕の遊び相手になってくれていた。

そのS君に「ダイビングやってみたいんだけど、沖縄一緒に行ってくれない?」と頼んだら「いいですよ~」と言ってくれた。

何時だったらいいか聞くと3月なら大丈夫と言われたので、沖縄行きを3月に2泊3日で決定した。

仲本さんと電話とキャリアメールで詳細を詰めていった。

つづく


*カナサンツアーズは廃業しています。


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