⑥転職サイトに振り回される

 転職サイトは情報ばかりが多く、すっかり疲弊してしまった。送られてくる求人は、求めているもの以外が圧倒的な量。余計な情報に殺されるのではないかという強迫観念に囚われ、消耗する。離職と無職前提の狭間で病みそうになる一方、必死になり過ぎて草臥れ果ててしまった。
 求人サイトを検索するうちに気付いたことがある。既に募集を打ち切っている求人も、そのまま掲載されていることが多いのだ。あらゆるサイトから抜粋して情報を載せているあるサイトから情報元に辿り着くと、一年以上も前の求人だったことがあった。掲載元に問い合わせたところ、すぐに返事が来たが、その後もその情報は削除されないままインターネット上に残っており、検索をかければ、まだ募集が掛かっているかのような印象を受ける。
 別の求人サイトで一件気になるものがあったため、ネット上より応募。登録したところで他の求人情報がメールで届かないタイプだったため、余計な情報に左右されないのは良かった。
 しかし応募後、職務経験に対する雇用形態を質問されるメールが、応募先から届く。最低限以上の職務経験はあった為、雇用形態に質問が及ぶとは思いも寄らなかった。不審に思いつつ返信。職務経験年数に指定はあったが、応募職種に対しては〝経験不問〟という一言でハードルが下げられていたので、嫌な予感がした。連絡が無いまま一週間が過ぎた頃、儀礼的な不採用メールが届く。
《応募多数のため、応募者全員と面接することが出来なくなりました。》
 書類を送ってさえいないので、書類選考以前に職務経験の雇用形態で落とされたのだろうと予想しているが、その求人情報は未だ、求人サイトに掲載されたままだ。
《応募多数》を不採用の理由にしているあたり、黙って見過ごすのは気持ちが悪く、求人サイトの問い合わせフォームから問い合わせてみる。
《先日、○○の求人に対し、応募多数を理由に不採用の通知が届いたのですが、求人情報が未だ掲載されている理由を知りたいです。》
 翌日、自動送信なのか、問い合わせ内容受付のメールが届く。返信待ちのまま一週間。未だ回答はない。


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