4月2日

 ひとつひとつの用事が片付かなければ、色々と落ち着かない。
 働いていた時より1時間遅い7時半には起きることにした理由は、放って置いたら昼まで寝てしまい、諸々の用事を片付けるだけであっという間に日が暮れてしまう…という生活に甘んじてしまうのを知っているからだ。
 自室と風呂の掃除を済ませ、洗濯物を干して朝刊に目を通す。夕食の下ごしらえを終えたら、9時から正午辺りまで畑で過ごす。先月末の大雨の影響で、未だ水は掃けず、草を引いても土がどっさり付いてくるので、あまり仕事にはならないが、その間、外の風を浴びながら犬が金柑の木の下で爆睡するので、その為に来ているようなものだ。
 有休消化のために休み始めてから、このリズムで生活しているので、こちらの行動を読みながら、そわそわし始める犬。しっかり働き始めたら出来ない孝行なので、天気が大丈夫な時は意向に添うように努めている。
 毎年、どっさり見つかる四つ葉のクローバーが、今年はひとつも見つからなかった。幸せへの扉が閉ざされたような気持ちで、例年より暖かな3月を過ごした。栞にしてプレゼントする必要が無くなったせいで見つからなくなったのかとさえ思えた。
 月末の雨の後、春の陽を浴びて少し成長した緑の狭間に、今年初めて2枚の四つ葉を見付ける。ほんの少し、未来が開けた気がした。
 役所の開庁時間を30分勘違いしており、慌てなくても良いことを知った。昨日より30分ずらして赴くと、職員の数も昨日の2倍だった。お茶を飲んでいる職員はいたが、ものを食べて歩いている行儀の悪い人はいない。俄かにバタついていて、昨日とは違う場所のよう。
 昨日とは別の職員が対応してくれ、健康保険料の試算を出してもらう。結構待ったが、急いでくれているのはわかったので黙って座っていた。昨日の男性職員は若干横柄な感じだったが、今日の女性職員は対応が親切だった。挙動不審の気があるくらい、無駄な動きの多い人で、この日は冷たい北風が吹いて寒さに震えるくらいだったのに、彼女はノースリーブに近いくらいの半袖Tシャツ姿だった。動きが多過ぎるから暑いのだろうか。同じフロアの人の中には、スーツやジャケットの人もいればニットの人もいる。今から半袖で、夏になったら何を着るのだろうかと、頭の中で余計なお世話的思考がぐるりと回った。
 年間金額として、任意継続するより国民健康保険に加入する方が、ほんの僅かだが金額が安いとわかった。封筒に2日前まで有効だった保険証を入れ、お礼のメモ書きに、資格喪失証明書の発行を依頼する一文を加えて、ポストに投函した。
 夕方の、30分ほどの外出の為に、一日緊張していなければならない。
 明日から再び、一日自由にスケジューリング出来ることにホッとする。


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