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詩「省察」

荒野をわたる一陣の風
その風の音と
わずかに残された寂寥に
たまらなく人間らしい切実さを感じるとき
ただ一人佇んで
おおらかな宿命に身を委ねたくなる

殺伐たる虚空
森閑たる大地
だが遥かに深い奥底のどこかで
力まかせの怒濤の如く
漆黒を切り裂く稲妻の如く
透徹した感情が湧き出るようなので
ずっと忘れていたのが久しぶりに
ゆくりなく我に返る

夢か幻か
別の世界の裏側なのか
一抹の疑いは晴れないとしても
澱む水面を前にすれば
身震いするほどの淋しさとともに
堂々とした意志が蘇り
何かを無性に拝みたくなる

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