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詩「雨」

雨の音
それは生命の音
降りしきる無数の雫は
大地に、その青草に
そっと優しく囁きかける
「お前たちは
 そこで何をしているんだい?」

実際、雨は見てきたのだ
遥か大気の高みから
まっすぐに落ちてくる間じゅう
風を見てきたのだ
山を見てきたのだ
そして蒼々と茂る草木の
しっとりと濡れてゆくのを見てきたのだ
「私たちも同じなのだよ
 ただ落ちるよりほかのない
 ただ沁みるよりほかのない
 そういう淋しい身の上なのだ」

雨の音
それは生命の音
僕は部屋の中で目を閉ざし
なおも雫が
大地に、その青草に
囁きかけ続けるのを聞く
「それでいい
 お前たちはそれでいいのだよ」

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