宅建士試験で40点取って合格するための最も簡単な方法はこのライトノベル小説を読むことです 権利関係編1-8

「民法の第八百九十一条を読んでみろ」
 天木刑事は、パラパラと六法をめくった。
 
民法
(相続人の欠格事由)
第八百九十一条 次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
 
「ははあ。相続人の欠格事由ですか。相続人が自ら手を下すと、相続人の資格を失うわけですか」
「そうだ。莫大な遺産が手に入るかもしれないのに、わざわざ、自分の手で殺すわけがないだろう」
「しかし、今回の場合、宅本健一の子供は全員死んでいますよ。あっ、違いました。一人だけ生きていますね」
 天木刑事が相続関係図で、宅本健一の次男に該当する人物を指さした。
「ああ。そいつは、勘定に入れなくていい。そんなガキを持ったことは、宅本健一にとって黒歴史だよ。そいつは、暴力団と関わり合いを持ち、数々の犯罪に手を染めたことで、宅本健一から勘当されたんだ。相続人となる資格を剥奪されている。相続廃除だよ。民法の第八百九十二条以下の条文を読んでみろ」
 
民法
(推定相続人の廃除)
第八百九十二条 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
 
(遺言による推定相続人の廃除)
第八百九十三条 被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
 
(推定相続人の廃除の取消し)
第八百九十四条 被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
2 前条の規定は、推定相続人の廃除の取消しについて準用する。
 
(推定相続人の廃除に関する審判確定前の遺産の管理)
第八百九十五条 推定相続人の廃除又はその取消しの請求があった後その審判が確定する前に相続が開始したときは、家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求によって、遺産の管理について必要な処分を命ずることができる。推定相続人の廃除の遺言があったときも、同様とする。
 
「そうすると、宅本健一の子供で相続人になれる人は一人もいないことになりますね。他の子供は全員死亡していますから」
「そうだ。そこで問題になるのが、廃除された宅本健一の次男に子供がいるのかどうかだ」
 赤城刑事の言葉に、天木刑事は首を傾げた。

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