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何度でも読み返したいnote1

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。 100作品たまったので、何度でも読み返したいnote2を作りました。
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#子育て

明日、君は指揮を振る

「卒業式で、指揮者やらないかって聞かれたんだけど、、」 三学期が始まってすぐ、戸惑いがちに長男が言った。 「え?今年も?すごいやん」 そう答えるも、複雑そうな顔で「うーん」と言う。 卒業式での合唱の指揮者は先生からの推薦で決まる。その日、長男は学年主任の先生から指揮者をやって欲しいと言われ、その場で即答をせずに持ち帰った。 「去年もやってるからさ、僕ばっかりでいいのかと思って」 去年、在校生として卒業式に参加する二年生の指揮者を任された。結局、コロナ禍の中で、卒業

“小さな恋の物語”を目の当たりにし、前のめりになった話

今、小2の娘が小学1年生だった頃の話。 よく一緒に下校している男の子がいた。 誰と帰ってきたん?と聞くと、「さとしくん(仮名)やで」と登場する頻度が非常に高かった。 今のご時勢なので参観などもなく、クラスの子の顔も全くわからない。その子と家もそこまで近くないようなのだが、仲良くしているんだな、くらいに思っていた。 「今日は帰りに一緒に漫才しててん」と言っていた日もあった。 「何それ、めっちゃ可愛いやん。どんな内容なん?」と聞くと、「どうも~〇〇〇(娘の名前)でーす!

5歳!500メートルの大冒険。

ついに幼稚園が休園になってしまった。 期間は、1週間ちょっと。 「外出は控えてください」と園からのメールが届いている手前、堂々と公園に遊びにいくのも気が引ける。 休園開始からの2日間は、真面目に家の中で過ごした。外の空気が吸いたくなったら、ベランダでシャボン玉をしたりして。でもついにシャボン玉液がなくなってしまった3日目、私は息子を散歩に誘った。 「りんりん!ファミマにお菓子買いに行かへん?」 「いくいくー!」 「今日はファミマまで歩いていこうや。近いしさ。」

夜のキッチンで、ワインを一杯

もうずっと、平日の夫は帰りが遅い。 月に数回、今日みたいに出張の日もある。 夜。怒涛の一日をなんとか乗り越え、息子を寝かしつけて、しんとしたリビングに戻った瞬間。私はいつも、その散らかり様に呆然とする。 絵本、積み木、人形や、ボールや、ありとあらゆるオモチャというオモチャが、部屋中に、というか廊下や洗面所や玄関にまで、飛び散っているのだ。 棚にあったはずの本や書類はぽいぽいと放り出され、サプリや薬をまとめているプラスチックケースは丸ごと床にぶちまけられている。 缶詰た