最後の晩餐は、願わくばウニ丼
どういういきさつだったのかはとんと思い出せないのだけれど、小学四年生の夏休みに祖母と二人で北海道旅行をした。
張り切った両親は、特別お小遣いとして一万円札を持たせてくれた。
当時月のお小遣いが400円で、お年玉だってほぼ千円、三千円ももらえたら超ラッキーだった私にとっては破格の棚ぼた。あまりの尊さに目がくらみそうで、宝箱として使っていた綺麗なお菓子の缶に大切にしまった。
この諭吉さえいれば、いつもは友だちからお土産をもらってばかりの自分が、ついにお土産をあげる側に回れる。