見出し画像

あと何回満月を見るだろう

坂本龍一さんの本のタイトル、『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』。
私が時々、考えることです。
最初にこの言葉を知ったのは、『シェルタリング・スカイ』という映画でした。
坂本龍一さんが、この映画の音楽を担当したそうです。
20年以上前に見た映画ですが、この言葉は印象的で、その後ずっと記憶に残っています。

我々はいつ果てるかを知らない。
だから人生を涸れない井戸のように考える。
だが、いかなる事も限られた数しか味わえない。
自分の人生に深く影響を与えた幼少期のとある昼下がりを、幾度思い出すことだろう。
自分の人生を左右したと思えるほどの 大切な思い出を、人は何回心に浮かべるのか。
4,5回? それ程ないかもしれない。
満月が昇る姿をあと幾度見るだろう?
たとえ20回だとしても、すべてが無限の如く思えるのだ。

『シェルタリング・スカイ』ポウル・ボウルズ

(ネットで検索したので、正確ではないかもしれません。)

自分自身が健康で、このままの暮らしを続けられる時間は、思っているより短いかもしれません。
40代、ひとり暮らし。
もう、妊娠・出産を考える年齢ではなくなりました。
高齢の親の生活や病気を心配する時が来ました。

私は今の生活や考え方を続けていると、きっと将来後悔します。
仕事よりも、もっと他のことを優先すれば良かった、と。
職場の人にはいい顔をして、自分が一番大変な人間であるかのように、家族に冷たくあたった時期の事が悔やまれます。
今までずっと、休日も仕事であった嫌なことで頭がいっぱいで、自分でもばかみたいだと思います。

何度も転職し、何度も無職になり、大人になってから学生にも戻りました。
その時は、それからの時間やチャンスが無限にあるかのように、たいして不安もなかったです。
ですが時間が経ち、貯金で生活しながら次の仕事を探すことや、長期間働かずに勉強をすることは、もう難しくなりました。


私はあと何回、満月を見るのでしょう。
満月の日、天気がいいとは限りません。
空を見上げないかもしれません。
今日が満月だとは気づかず、月なんて気にもとめないかもしれません。
元気に通勤する生活は、あとどれくらい続くのかな。
きれいな満月の夜、全てのタイミングが合うことは、本当にもうあと何回もないかもしれません。

いつか、私はこう考えそうです。
挑戦したいことを憧れで終わらせるのではなく、資金を準備して、やってみればよかった。
もっと親や親戚と会っておくんだった。
健康で自由に動けるうちに、もっとやりたいことをすればよかった。

具体的な計画はまだありませんが、収入が減るとしても、全く違うことを始めてみたくなりました。
ただ生活のために働くのではなく、嫌なことがあっても今は次にすることまでの準備期間だと考え、このまま終わらないようにしたいです。
健康な期間や人生の時間も、家族との時間も、自分が思っているよりないかもしれないので。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?