職員室の常連ってどんなもんじゃいって話

 おはようございます。はのとです。なんか今日から急に夏じゃないですか?さっきまでこたつ出てたんですけど、一気に引きはがしました。あっちーよふざけんな。ということで真冬の部屋がようやく夏仕様になりました。

 前に先生が好きだという話したんですけど、

 特に高校生のときは、私の隣には常に誰かしら先生がいました。先生大好きだったので。で、そんな大好きな先生たちと関わるために、毎日職員室に足蹴なく通っていました。

 そもそも先生を好きになったのには理由があります。私の高校は女子校だったんですけど、女子校ならではの風習なのかな、先生大好きなんですね、みんな。特におじいちゃん先生は大人気で、みんな授業を楽しみにしていました。

 そんな中、私には2人、好きになれない先生がいました。一人はとってもお世話になった英語の先生、もう1人は日本史の先生。で、高校2年生のある日、私は教室のど真ん中で決意しました。

「今日から2週間、先生好きになろう習慣にしま~~~~~~す!!」

 寒いな、今思うと。頭悪いな本当に。

 そんなこんなで、苦手な先生たちの授業のときは、授業内容は二の次に、ひたすら先生の目を見つめるという暴挙に出ました。幸い校内で勉強は出来る方だったので、そんなことをしていても生きていけました。

 でね、気づいたんですよ。英語の先生は、まあ見慣れたという方が近いですね。好きになったというか、慣れた。厭よ厭よも好きの内ってやつだと思います。

 驚くべきは日本史の先生。おじいちゃんなんですよ、絶対にインスタとか知らなそうな。スマホ絶対持ってないですよあの人。そういう感じのバーコードはげが目立つおじいちゃん。その先生のね、めがね。あれ、いつも汚いんです。え、可愛い。萌えました。ツボがおかしいですか?当時友人に散々言われましたよ。

 そんな感じで、校内に嫌いな先生はいなくなりました。

 それからなんやかんやあって、英語の先生は私のバディになりました。専属と言うか主治医というか、何かあったら真っ先に相談する先生。先生も先生で、毎日のように質問に来る私を面白がってくださっていました。その先生と議論するために、負けないように、たくさん勉強してたくさん疑問点を探しました。そうやって、私は学年中から、英語学年一の子という輝かしいラベルを得たのです。

 先生は人気者でした。若い男だったから、女子校では格好の餌食です。ひねくれものの私は、俗物に成り下がるまいと、そんな人気者を避けていました。好きになるもんかと。で、結局大好きになっていましたね。大好きというか、大迷惑をかけて大感謝する対象と言う感じ。

 毎日のように、先生と議論するために職員室に通いました。先生は、入り口に私の姿が見えると何も言わず出てきてくれました。先生が気が付かないときは、私がずかずかと職員室に立ち入り、先生、と一言合図していました。周りの先生たちは、おっまた来たか、と話しかけて下さるようになりました。

 あるときから、私が職員室に来ると、頼んでないのに別の先生が先生を呼んでくれるようになりました。職員室に来ると、「u先生?」と聞かれるようになりました。だから、別の先生に用があるときはちょっと気まずかったですね。

 職員室の常連になってから、先生たちの小話に参加するようになりました。授業の進め方の話とか、扱うトピックの話とか、全然関係ない先生たちの若かりし頃の話とか。そういう、普通に生きていたら絶対に関わらないような年代の人たちとたくさん話すようになりました。17の私には、刺激いっぱいでした。

 先生たちも、私のことをよく見てくださるようになりました。普通に嬉しかったのは、「今日の髪形可愛いね。」と40代の女性の先生が褒めてくれたやつ。生徒の髪形可愛いって思う、そんな真っすぐな心を持った先生が可愛いよ~~~~!!!と、私の頭の中はオンパレードでした。

 ある日、いつものように職員室に行くと、先生が別の生徒と楽しそうに話していました。勉強の話じゃなくて、楽しそうな感じでした。私の中にはポリシーがあります。先生を取り囲むファンたちには関わらない、というもの。だって面倒ですもん。一回分かりやすく嫌がらせされてから、凝りましたね。女子校でそんな経験したのは、むしろレアだったかもしれません。

 で、チラッと覗いて、その場を去りました。その日は放課後でしたかね、部活中だったと思います。私の部活では、部活中に先生に勉強教わりに行っても何もおかしくない感じでした。個人競技の文化部だったので、各自練習したり、評価し合ったり、というのが日常の活動だったので、結構自由だったんです。私じゃなくても、部活中に進路相談に行く子いました。なのに、大会ではみんな賞とったりします。うん、型にはめられた部活よりいいな、そう思います。

 話逸れました。まあ、そんなこんなで部室に戻ったんです。部室と職員室は近かったので、すぐ戻ってきた私に部員は驚いたようでした。事情を説明すると、それは面倒だ、みたいな同情をくれました。助かる。

 で、普通に部室でわいわいしてたんですけど、突然ノックがしたんです。私たちの部室に用がある人と言えば、顧問の先生、教頭、そんなもんですよ。顧問の先生は躊躇なく入ってくるので、きっと教頭でしょう。そんなことを思いながら部員の一人がドアを開けに行くと、そこにいたのは例の先生でした。

「お~はのといるか~。」

 いますね。いますよ奥に。いますけど、え、何の用ですか。なんてね、ぐちぐち言いましたよ。ええ言いました。でもね、心の底では分かってたんです。先生が部室に来て私を呼んだ理由。

「さっき職員室で俺呼ぼうとしただろ、時間あるならやるか。」

 あ~~~~~~~、これ、禁断の恋の相手だったらどんだけときめいたでしょうか!!!!!!小説にしたら売れそうです。

 そうでなくても嬉しかったです、とっっっっっっても。あー私のこと見ていてくれたんだなと。常連で良かった。職員室というか、もはや先生に対する常連だけど、まあ、それでもいいや。

 先生はよく言うんです。「こんなに英語勉強して俺に突っかかってくるのはのとだけだから、楽しいよ。刺激になるし、俺も勉強しなきゃってなる。だから、遠慮しないでいつでもおいで。」一度や二度ではありません。私が忙しそうなところを呼んでしまって申し訳ない顔をしていると、いつもこの話をしてくださいます。

 素敵な先生でした。臨時の先生でした。正規の先生より、よっぽど生徒一人一人のことを考えてくださる先生でした。

 先生のおかげで職員室の常連になり、先生が繋いでくれた他の先生方との関係のおかげで、私は先生がいなくなった3年生の年でも元気に生きていけました。感謝。

 先生が好きだと、学校楽しいですよ。先生に会いに行くんですもん。不純な動機だけど、それで私はわかりやすく成績上がりましたから。常にクラストップでしたから。英語は常に学年トップでしたから。まあ、私は格別に単純だっただけかも知れませんけどね。

 あ~。また職員室通いて~~~~~~。

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