色んなリーダーをやってきた私が、通れなかったリーダーって話

 こんにちは。梅雨そろそろ明けませんかね。毎日髪の毛が膨張しているので、今日はスーパーハードなスプレーを買ってきてしまいました。効くかどうかはわかりませんが、信じる者のみが救われるらしいので、気合と根性でどうにか効かせます。

 はのとです、初めまして。

 先日、大学の部活の副部長に任命されました。光栄です。私にとって初めての、副部長でした。

 中学生の頃に入った吹奏楽部では、人間関係のもつれが原因で、部長らとは程遠いところにいました。1年生のときまでは学年リーダーをやってたんですけどね。多数派にぼこぼこにされたので、部長への道は閉ざされました。

 高校の頃に入っていた放送部では、持病が原因で1年生の頃にほとんど活動できず、参加履歴のない私が部を牽引できるはずもなく、同期で唯一の無職になりました。2年で部活に復帰できたので、それ以降は役職とか関係なく、めちゃくちゃみんなのサポート頑張りました。みんなが頼ってくれることが、私にはとっても嬉しいことだったんです。

 高校の頃は、軽音の同好会にも入っていました。でも、メインの放送部が忙しかったこともあり、幹部からは遠いところでひっそり活動していました。

 小学生の頃、クラス委員的なやつをずーっとやっていました。私=リーダーシップみたいなイメージがあって、みんなそれを快く受け入れてくれていたのです。私は単に、目立ちたかっただけですが。

 林間学校や修学旅行でも、進んで実行委員になりました。先生たちと裏方に徹して準備するのが、私には何か秘密のことをしているみたいで楽しかったんです。

 中学生の頃、学級委員と代議員を交互くらいにやっていました。目立つことが好きだったので、やらない選択肢はなかったですね。そのまま学級院長もやって、1年生で唯一中央委員会にも出席して、正直しんどかったけど、達成感はありました。

 中学生の頃、初めて、出る杭は打たれました。だから、生徒会にはなれませんでした。なりませんでした。その代わりに、ずっと一緒にクラス委員、学級委員、代議員を頑張ってきた友人の推薦者になりました。私にできないことに一生懸命向き合う彼女の姿は、どこか眩しく、羨ましかったです。心の底から彼女を応援できたのは、打たれた私だからこそ、彼女には打たれないでほしかったからです。例え打たれても、私がきっと支えてやるんだ、と決めていました。

 高校生の頃、私は目立とうとするのを辞めました。リーダーはやめました。その代わり、なんのしがらみもなく楽しい3年間を過ごしました。部活に一生懸命、勉強に一生懸命。密度の濃い3年間でした。

 大学生になり、部活に入りました。部活を率いる先輩方は、中高のそれらとは異なる仕事を沢山されていました。事務的な、地味な作業が沢山でした。ただ部をまとめるだけでなく、部のために働く。それが、大学の部活のリーダーでした。

 授業で手いっぱいの私には、そこを目指す余裕なんてありませんでした。部活をするだけでも大変なのに、さらに難しいことなんて、私にはこなせる自信がありませんでした。

 その自信は、今年になってさらに低くなりました。コロナ禍の影響で遅めの代替わりが始まった4月。最初に決まったのは副部長で、その数週間後に部長が決まりました。例年副部長は男女1名ずつでしたが、人数の関係が、男1人のみでした。

 幹部になった彼らは、慣れない仕事に戸惑っているようでした。だから私は、彼らを支えるために頑張りました。ただでさえ人数が少ない私たちの代。みんなで支え合おう、幹部だけに仕事をやらせないようにしよう。それが私の考えでした。いい子でしょ。

 でも、私の頑張りの内半分は空振りました。半分は大いに成功しました。空ぶった、失敗の原因は私の性格です。だらだらしてるのが嫌いで、やるならとっととやってしまおうという考え。それに加えて問題だったのは、その傍若無人で横暴な態度です。感情が高ぶると、それを上手く抑えることができずに、勢いで話をしてしまいます。表現がきつかったり、そういうことが多く見られました。私に。

 それを何度も指摘してくれたのが、副部長でした。彼は、みんなが怖がる私にも、しっかり注意して話し合ってくれました。私の主張も聞いて、それを認めて、その上で改善しようね、と諭してくれました。彼の真っすぐな気持ちは、私にとっても刺さりました。

 で、女の副部長もそろそろ決めようとなってきたのが先月。部長も副部長も優しい性格なので、今年の幹部は威厳が足りない、しっかり度が足りない、というのが私含め数人の考えでした。だから、矢面に立てるような強い子がいいね、と。でも、そんな子いないよね、と。

 私の考えには、端から自分は入っていません。私の性格では、部の雰囲気を悪くしてしまうだけです。駄目なんです、上に立つのが私みたいな自分勝手な人間では。言ってることは誰よりも正しい。よく言われます。でも、問題はその言い方だ。よく言われます。自覚もあります。少しずつ、直そうと努力しています。

 でも、簡単には直りません。副部長と話してて気づいたんです。私、自分で自分の発言がおかしいって気づいていないことがあるんです。きつめだった、と自分で気づけている発言は、全体の半分ちょっとくらいなんです。これもきついよ、これも、これも、と指摘されて、初めて気が付きました。本当に、彼には頭が上がりません。

 この年になって、自分の本当の弱点を理解しました。遅すぎましたね。でも、気が付けてよかった。ありがとう。

 で、こんな弱点、リーダーが持っていていい訳ないんです。だからね、私なりに誰がいいとか考えていたんですよ。そしたら先日、部長から連絡がきました。

 はのとに副部長を頼みたいと思っている。やってくれるか。

 迷いました。疑いました。本当に私なのか。それは、本当にみんなが納得してくれる選択なのか。怖かった。怖かったですね。だから私はとりあえず返事を保留にしてこう言いました。

 私みたいな暴君には務まらない仕事な気がします。

 すると部長は、こう言いました。

 俺も副部長もはのとが一番いいと思ってるし、上級生もそう言ってる。だからやってほしい。

 わかりました。頑張ります。

 素直に受け取り辛い言葉。自分に自信がないから。普段の私なら、私がやったるわ、くらいの勢いあるんですけどね。まあ私出来る子だから、とか平気で思っちゃうんですけどね。だから、こんな風に思っていることに、自分が一番驚いています。

 色んなリーダーをしてきました。でも、最もオーソドックスなリーダーの内の一つであろう、部活のリーダーを、私は担ったことがありませんでした。大学生になって初めてです。

 貴重な経験をさせてもらえる。私の学生人生でやり残した唯一のことが、今から挽回できる。そう思うと、やっぱり頑張りますって言葉が一番しっくりきますね。頑張ります。

 早速明日練習です。まあバンド練なんで、幹部とか関係ないですけど。

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