「昔の方がよかった」なんて当たり前なんだぜ

 こんばんは。今日20数回目のスラムダンクを見てきたんですけど、見てたら急に働くモチベ上がった。なんで? 今まで何度も見てきてそんなことなかったのに、急に? 仕事なんでできるだけしたくないですが、モチベがあるに越したことはないです。どうか、永続的に存在しろ、モチベ。

 はのとです。初めまして。


 最近ね、BUMP OF CHICKENのツアーファイナルに行ったんですよ。私はド新規で、聴き始めてまだ1年も経っていない未熟者です。大ファンの恋人に誘われて行きました。ド新規がダメだよ、と思いながら号泣しました。もっと涙に相応しい人がたくさんいるのに、私なんかが泣いちゃダメだよ、って、思ってたんだけどね。

 今も大人しくニコル育成してる。無駄に胴が長くて動きがぬるぬるしている猫を、育成している。

 ライブについて、BUMPについて詳しいことはここに書いてあります。物好きの自覚がある方は読んでください。


 恋人は21歳で大学4年生なんですけど、中学生の頃からずっと好きで応援しているみたいです。それこそ、何度もBUMPに救われてきたって。一緒に所属していた軽音楽部でBUMPをやるたびに、恋人はいつも泣きそうになっていました。素敵。何かに熱中しているって、とても素敵なこと。

 かく言う私は、小学生の頃から高校生の途中までももクロが好きでした。それ以外にも、中学生の頃から高校生の途中まで、backnumberや歌い手、ボカロなどが好きでした。熱中していて、それこそないお金をかき集めてたくさんライブに行くなどしていました。確かに、私は熱中していた。


 そんなライブの帰り道、車でBUMPを聴きながら、恋人は言いました。「この頃の曲が好きなんだ。」「この辺で曲調がすごい変わったんだ。」「この辺の曲、いいなあ。」つぶやくように、静かに。恋人は、今でもBUMPが大好きです。新曲が出るたびに興奮して聴いているし、円盤は必ず予約していて、届く日を今か今かと待ちわびている。

 今も好きだけど、特にあの頃が好きなんだ、というニュアンス。分かるよ、その気持ち。もちろんBUMPは新参者だから共感できない。この曲好き、このアルバム好き、っていうのはあるけど、年代を追っているわけではないからね。

 だけど、自分のことに置き換えるとすごく分かります。ももクロは、2012年ごろから2014年ごろの曲、雰囲気が大好きだった。backnumberは、クリスマスソングあたりから少しずつ曲調が変わっていってストリングスとかシンセが多くなってきたからその前が好きだった。歌い手は、歌い手は離れた理由が別だから特にないや。


 これって、音楽に限らずあることだよね。「あの頃はよかった。」「昔はよかった」年をとると、どうしてもそうやって言うことが増えていく。たかが22歳の私ですら、思う。大学4年生になったとき、「1年のときの部活は良かったな。」って同期とこっそり話しました。そういうこと。

 でもそれは、至極当然のことだと思う。実際に、客観的に見て、今よりあの頃がよかったとかは分からないじゃん。測れることではないし。でもさ、よく考えてよ。例えば私のももクロだったら、2012年ごろ好きになったんだよ。好きになったきっかけの曲があったんだよ。ってことはさ、2012年ごろのももクロの雰囲気が、私のドストライクだったってことなんです。

 そして、人や物が年月をかけて変わることも至極当然。だから、好きだったももクロが、少しずつ変化していって、進化していって、好きだったころの状態から離れていく。変わった状態も好きかも知れないし、変わった状態は、少し好みから外れるかも知れない。そこが、継続か停滞かの分かれ道なんですよきっと。

 「あの頃の方がよかった」と思うのは、「あの頃」好きになったからなんだよ。好きになったその状態が、最高だったんだよ、自分の中で。もしかしたらそれを更新して、「あの頃」がどんどん新しくなっていく人もいて、その上で最新の「あの頃」になるんだよ。


 私が大学4年生の頃に大学1年生のころの部活が良かったと思うのは、大学1年生の頃にその部活を見つけて、そのときの先輩方に惹かれて、空気感に惹かれて入部を決めたからなんだよ。たった1年でも経ってしまったら、その最高の状態ではなくなる。人が減って、人が増える。それだけでもう、その部活は別のものに変わるんだよ。当たり前だけど。

 だから、あの頃はよかった、になる。当然なんです。そして自分が4年生の頃の1年生はきっと、自分たちが4年生になったときに「1年のころの部活はよかった」って思うんだ。だって、彼らが入部したのは、彼らが1年の頃の部活のメンバーや空気感に惹かれたからなんだから。

 私にとっては最高の状態ではなかった4年生の頃の部活も、誰かにとっては最高の状態で。でもそれは、当たり前のことで。


 当たり前のことなんだから、甘んじて受け入れないとね。自分にとっては起こらないでほしかった変化かもしれないけど、変わった本人にとっては、必要な、目指すべき変化だったんだから。変わらないことも変わることも、どちらも大事。そして、変わらないものだって絶対にある。でも、変わってほしくないことが変わることだってある。

 アーティストやコンテンツは確実に日々進化していて、前に進んでいて、変化を恐れずに未来へ向かって行く。そして私たちは、きっとどこかで取り残されていく。変化についていけなくなって、取り残されていく。その結果、「あの頃はよかった」になる。のだと思うんですね。

 何よりも大事なのは、コンテンツは進んでいるということ。ネガティブな変化ではなく、ほとんどの場合はポジティブな変化なのだということ。いいとか悪いとかではないんだよね。ただ、それが自分の好みか好みじゃないか、というだけの話。

 そして後者だったときに、人はきっと、そのコンテンツから離れていく。だから、その先で起こる変化のことを知ることはできない。寂しいね。もしかしたら、さらに最高の状態が現れるかも知れないのに。


 まあとにかく、人間誰しもそういうことを経験すると思うんです。そして、そう思うのも自由だと思います。だけどさ、コンテンツを否定したくないよね。かつては好きだったんだから。自分の好きだった最高の状態が、確かに存在したんだから。好みから外れちゃったかもしれないけど、その変化はきっと、コンテンツが望んだことだから。悪くないんだから。

 だから私は、「あの頃はよかったぜ。」と思うことを減らすことはできないけど、「今はダメだな。」とは思わない。絶対に、思わない。コンテンツの成長についていけなかった、自分の落ち度だ。もしくは、コンテンツと私の間にちょっとした解釈違いがあっただけだ。

 まあ、そこまで考える必要はないのかもしれないけど、好きだったものを否定するなんて、そんな悲しいことないと思いませんか。私は思います。好きだった頃があるんだから、その頃のものを楽しんでいればいい。好きだったころの音楽を聴けばいい。音楽は変わらない。ずっと変わらない。付加価値が増え続けることはあっても。

 っていう、当たり前のことを3000字も書ける私。だから大学生の頃のよく分からないレポートにも対応できたんだろうな。なんでもかんでも適当に長く書くことが得意なんだろうな。得意って言うのか? 単純に文章力の欠如なのでは。なんてことは、本当にどうでもいい。


 そして、うちのニコルは今も寝ている。おやすみ。またね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?