今日観た映画のg原作者 へ

初めまして。漫画家の方にお手紙を書くのは初めてなので緊張しますが、この新鮮な気持ちをお伝えしたいと思います。

今日、あなたの書いていた漫画の映画を見に行きました。2回目で、前回は丁度1か月前です。母と弟と3人で観ました。

そもそもこの漫画に興味を持ったのは、私たち家族が好きな映画監督の方が実写化を担当されていたのがきっかけです。実写から入り、実写は映画もショートストーリーのようなものも全部見ました。とってもお気に入りです。

そして先月、アニメ映画が上映されると知り、私たちはこれを機に原作の方も見てみようか、となりました。映画を見に行くと決めたのは3週間後の金曜日。金曜日は地元で映画が安いからです。それまでに、とりあえず映画に繋がる最後の話だけ見ておこう、見てる内になんとなく分かるでしょ、と軽い気持ちで見始めました。

初めの内は理解するのに必死で、なかなか内容を楽しみきれませんでしたし、その話を最後まで見終わっても、結局分からないものは分からないという感じで。とりあえず、師匠の顔したアイツがラスボスで、この星は地球じゃなくて、兄妹は仲良くなって、これからみんなでラスボスと戦うのね、というところは理解出来ました。登場人物は、実写に出てこない人たちはよく分かりませんでした。

そしていざ見に行って、初めの今までのあらすじ的な部分で、私たちは衝撃的な事実を知りました。なんと、私たちが見ていたのは映画に繋がる話に繋がる話で、大事な映画の直前の話を見ていなかったのです。あらすじの演出とその衝撃の事実とで、折角説明してくれているあらすじも頭に入ってきませんでしたが、仲間の再結と悪友の最後では大号泣でした。

それから1ヶ月間、見逃した話、それ以前の大事な部分の話を順不同で見て、漫画も買って、我が家ではそれまで来ていた鬼滅ブームを塗り替えるほどのブームになっていました。

アニメを見るために、夕飯後はリビングに家族みんなが集まります。大学生の私と、高校生の弟と、両親。仕事で疲れた父も、アニメを見てはゲラゲラと笑っていました。ただアニメの特性上、どうしても家族で見ると沈黙が生まれる場面もありますが、慣れました。

漫画では、あなたのコメントを読むのが楽しみの一つです。勿論内容も笑いながら読んでいますが、あなたの言葉を読んでいると、それも話の1部なのではないかと錯覚するのです。

酷い言葉遣いと雑な現場が垣間見えますが、この作品は、私が触れるよりもはるか昔、まだ私に物心が付いていなかった頃からあったと思うと、本当に驚きます。何年も何年も、作者のあなたと周りのスタッフと、そしてそれを楽しみに待つ沢山の読者。そんな方々がいらしたおかげで、今、私のものにも届いているのです。

憎まれ口を叩きながらも、作者と読者が互いに持ちつ持たれつで、素敵な関係性だと感じています。この作品を読んで育った少年たちは、仲間を大切に思う心をどこかに持っていることでしょう。なんの意味もメッセージもないように思えて、意図的な無意図的かは問わず、この作品には沢山の熱いものが含まれているのですよ。

新参者の私が大変おこがましいですが、この作品を作って下さり、本当にありがとうございます。何年も何年も、終わりを引き伸ばして下さりありがとうございます。この結末を届けて下さり、ありがとうございます。

なんやかんやで周囲の人たちに好かれそうな方だなという印象ですが、実際のところはどうなのでしょうか。今は、何をして過ごしているのでしょうか。私たちファンが感じている喜びを、感謝を、少しでも受け取ってくださいね。

素敵な作品を、ありがとうございました。


2021年2月26日 はのと

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