日本はスタグフレーションなのか?
こんばんは。飯能高校探究部のギンです。
今回は、話題のスタグフレーションについて話していきたいと思います。
スタグフレーションとは?
スタグフレーションは、景気停滞(スタグネーション)とインフレーションが同時に発生する状況を指します。
つまり、経済が停滞している一方で、物価が上昇している状態を示します。通常、景気後退時にはインフレが低下する傾向にありますが、原油などの資源価格が上昇することによって景気後退期にもインフレが上昇することがあります。経済政策(特に金融政策)による対応が難しい厄介な状況です。
日本はスタグフレーションなのか?
インフレの現状
ロシアによるウクライナ侵攻による原油などの資源価格の上昇や円安により輸入物価が大きく上昇しました。それにより、国内の物価も上昇しました。
消費者物価の寄与度分解を見るとエネルギーは、政府の経済対策により大きめのマイナスになっており、サービス価格は徐々にプラス幅を拡大しています。
景気の現状
雇用
失業率を見ると2.4%と、ほとんどコロナ前の水準に回復し、低水準で推移しています。
賃金
30年ぶりの賃上げが実現しています。
GDP
実額を見ると名目、実質ともに消費税増税やコロナ前を回復しており名目GDPは600兆円に近づいています。
前年比を見ると2四半期連続のマイナスになっています。
GDPギャップ
2四半期連続のマイナスになっています。コロナ後、プラスに転じたのは1回であり総需要は弱含んでいます。
個人消費
物価上昇の影響を受けて弱含んでいます。
企業収益
売上高、経常利益ともにコロナ前を越えて増加しています。
設備投資
まだコロナ前を回復していないですが緩やかな増加傾向にあります。
足元は、弱含んでいます。
まとめ
現在の日本の経済状況を考えると、輸入物価の上昇を起点とするコストプッシュ型インフレという点ではスタグフレーションと似ていますが、個人消費などを中心に需要に弱いところがあります。
一方、失業率が低水準で推移し、GDPがコロナ前を上回っていることから、経済は底堅さを見せています。
サービス価格の上昇や設備投資の増加傾向が見られる中、30年ぶりの賃金上昇や企業収益の回復も観測されており、これらの要素からスタグフレーションとは言えません。
今後も、経済、物価、金融情勢に関してnote記事を書いていくのでよろしくお願いします。
〜顧問のつぶやき〜
ギンの記事には経済用語がたくさん出てきます。知らないと何のことを言っているのかさっぱり状態になってしまうので、私の方でも補助説明が加えられそうなものは加えたいと思います。
今回はインフレ、デフレ。
最近はアウトドアグッズでインフレータブル(Inflatable)マットのような言葉が使われることがありますね。空気も物価も膨らんで(高くなって)いくイメージをつくっておけば忘れないかもしれません。
デフレのdeという接頭語(単語の頭に来る語)は「離れて」の意味があリマス。インフレで膨らむ空気。デフレで空気が抜けていく=物価が下がるイメージを持っておけば良さそうです。
デフレの象徴である100均ショップがインフレによって商品価格を300円に上げるのがイメージとしてはわかりやすいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?