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5月23日国債買入れオペ1〜3年 札割れ

こんにちは。飯能高校探究部部長のギンです。
今回は、5月23日に日本銀行が行った国債買入れオペレーションの1〜3年ゾーンで札割れが起こったので話していきたいと思います。

札割れとは?

資金供給オペにおける札割れとは、中央銀行(日本だと日本銀行)がオペレーションを通じて市場に供給しようとする資金量に対して、金融機関からの応札が少ないような状況のことです。

量的緩和の時期にはゼロ金利の短期資産とゼロ金利の日銀当座預金をただ交換するだけだったため札割れはかなり起きていました。

現代の金融政策: 理論と実際(日本経済新聞出版社、白川方明著、2008年)

今日起こった札割れ

今日の金融市場調節の残存期間1年超から3年以下をみると3750億円です。つまり日本銀行(金融市場局)は今日、残存期間1年超から3年以下の国債を3750億円分買いたかったということです。
しかし、落札結果の残存期間1年超から3年以下をみると応札額3564億円、落札額3564億円で応札額が入札予定額に届いていないので札割れということです。
これは、2013年4月量的・質的金融緩和がはじまってからはじめてのことです。
日本銀行が、国債を買入れる反対側には国債を売ってくれる金融機関が必要で今回、国債買入れオペで札割れが起こったということは日本国債を売りたくないと考える金融機関が多かったということで日本国債への堅調な需要があったとも言えるでしょう。
この、札割れによって金融市場局が市場に配慮して次回の国債買入れオペのオファー額が減額される(テーパリング)可能性があります。

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of240523.htm
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba240523.htm

勘違い

今回、国債買入れオペの札割れに関するニュースについて、一部の人々は、政府が国債を発行する際に応札額が入札予定額に達しなかったと誤解しているようです。しかし、実際にはそうではなく、日本銀行が国債を購入する際に応札額が入札予定額に達しなかっただけのことです。これは珍しいことではありますが、国債発行時の問題ではありません。したがって、この現象は日本国債が危険であるとか、売れなくなったとか、何か重大な事態が迫っている兆候ではありません。むしろ、日本国債(特に短期債)に対する需要が強いことを示しています。

まとめ

今回は、5月23日に日本銀行が行った国債買入れオペレーションの1〜3年ゾーンで札割れが起こったので話しました。

次回の国債買入れ額が減額されるかがポイントですね。

これからも、経済、物価、金融について話していくのでよろしくお願いします。



〜顧問のつぶやき〜
ギンが札割れについて記事にしてくれました。
私も記事を読んでいて、勉強になります。

本や新聞等を読んで、どんどん知識をつけていくギン。
これからも記事を楽しみにしています!

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