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わかりやすい!中医学の基礎Vo.12〜五臓と役割〜

今回から、五行説との関連が深い、五臓の役割についてご紹介していきます。


五臓と六腑

中医学では、『臓』と『腑』にはそれぞれ次のような違いがあると定義しています。

臓とは、『実質的な臓器』をさし、具体的には『中身が詰まっていてからだをスムーズにはたらかせるために重要な役割をしている』臓のことです。


五臓(裏)
心・肝・脾・肺・腎




『臓」とは、中身が空洞で、臓で作られてた栄養物質や気、津液が通過する器官を指します。

六腑(表)
小腸・胆・胃・大腸・膀胱・三焦

六腑については、五臓と裏表の関係にあるものとされ、具体的な役割を定意義されていますが、今回は五臓についてのみご紹介していきます。

まずは、『心』から。


心の役割


心=循環器系+中枢神経系


心の定義

中医学的には、心は、中枢神経系と心臓を含めた循環器系を指します。

中医学的に考える心のはたらき4つ


●血液循環
心は、からだを滋養する『血(けつ)』を全身にめぐらせるために重要な役割をしています。

●意識レベルの維持・意識的活動の統括

意識レベルを維持し、思考・意思などの精神活動を主導しまとめる役割をしています。

西洋医学的には、人の精神や思索活動は大脳の生理機能ですが、中医学では心のはたらきによるものと捉えています。


●覚醒・睡眠リズムの調節

●熱の産生(火の性質) 汗の分泌 体温調整

心が作り出した熱により津液が蒸発し、気化したものが排出された液体が汗とされており、汗の分泌や体温調整と深い関係があります。
心の病では発汗に異常が見られる場合があります。

心の状態が表れる体表

顔色

顔との関係が深く、心の働きが正常であれば顔色が良く、ツヤもあり明るいが、トラブルがあると赤っぽくなったりくすんだり、白っぽくなったりします。

また、心は舌との関連も深く、心のはたらきが低下すると、味覚がおかしくなったりろれつが回らなくなったりします。

心の主な病態と症状


前回までにご紹介した、『気血津液』『陰陽バランス』の乱れが『心』に起こると次のような症状が見られます。

中医学を学んでいくと、『診断学』『中医臨床学』などで詳しく説明されていますので、ここでは簡単にまとめています。

最初の段階では、

『心』に『気血津液』『陰陽』のバランスが崩れた状態が起こると、『心』の役割に支障が起こり、不調が表れる と覚えておきましょう。

心の主な病態と症状


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