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わかりやすい!中医学の基礎Vo.24〜津液のトラブル〜

今回は津液のトラブルについてご紹介いたします。

津液のトラブルには、
①津液が流れずに一部に必要以上に多くなっている状態
②津液が不足し、からだが『乾燥状態』になっている状態
があります。




津液停滞


 体を潤すはたらきのある津液の流れが悪くなり、一部にたまっている状態を「水毒」といいます。水分代謝が悪く、体内にたまっているために冷えやすく、むくみやすくなることが特徴です。

この病態は長引きやすく、不調を感じたら、なるべく早く対処することが大切です。


冷たいものを取りすぎないこと、足首や手首、首やお腹を温め、体の冷えを間接的に予防するのもおすすめです。


津液の流れが悪くなった場合の症状


津液のトラブル

脂っこい食事が好きな方は、特に胃腸に熱がこもりやすいため
湿と熱がくっついたような症状となり、舌の色が黄色っぽくなったりすることもあります。


津液のめぐりをよくする生薬


水分代謝をよくし、津液のめぐりをよくする代表的な生薬をご紹介いたします。
全てを覚える必要はありませんが、漢方薬にこの生薬が入っていると『水分代謝が良くなるのだな』と思っていただけると良いでしょう。

 薏苡仁(ヨクイニン)


 薏苡仁は、『ハトムギ』として有名ですね。

 薏苡仁


蒼朮


蒼朮

沢瀉


沢瀉

猪苓


猪苓


茯苓


茯苓



津液の流れが悪くなった時に役立つ代表的な漢方薬


五苓散



五苓散は、4つの水分代謝をよくする生薬と、めぐりをよくする生薬からなる漢方薬で、体の中の水分代謝をよくし、水分が多いところからは除き、少ないところには補う働きがあります。

水分代謝が悪い状態は、体の中に湿がたまったで、むくみや重だるさ、頭痛、痛みなどとして現れます。

これらの症状を軽減する働きがあり、比較的即効性が期待できる漢方薬です。

また、二日酔いや乗り物酔いなのどの症状を軽くするのにも役立ちます。

当帰芍薬散


当帰芍薬散は、津液の流れが悪くなった状態と、血虚というからだが栄養不足になった状態を軽くするのに役立つ漢方薬です。


津液が少ない状態=陰虚


からだを潤す『津液』が不足し、乾燥している場合を『陰虚』と呼び、皮膚・粘膜・内臓・関節などを潤して熱を冷ますの働きが失われるため、陰虚の状態が長引くと熱によるのぼせや口の渇き、皮膚の乾燥、尿量減少、便秘などが起こりやすくなります。

陰液が不足している臓腑によって現れる症状が異なり、心陰虚では、動悸・息切れ・頬だけが赤い・不眠などが見られ、肺陰虚では、空咳が長引き、腎陰虚では、めまいや耳鳴り、手足のほてりなどが見られます。

陰虚体質(陰液が不足しやすい体質)では、乾燥する秋〜冬に不調が出やすくなります。

津液不足の症状

津液不足の症状

津液不足を補う生薬

天門冬

天門冬

麦門冬




麦門冬


他にも、地黄・人参・百合 なども潤おいを与えるはたらきがあります。

陰虚を治療する代表的な漢方薬



麦門冬湯:気道や口が渇き、空咳が出る人に
六味丸:疲れると手足がほてり、口の渇きを訴える、小児や高齢者に
開豊 瓊玉膏 : 全身の陰液の元となる腎陰を補いエイジングサポートをする


まとめ


津液トラブル
津液がめぐっていない
津液不足の状態

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