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ビタミンDを豊富に摂取できるトマトが誕生!

ビタミンDは人間に欠かせへん栄養素の1つで、カルシウムやリンの吸収を促進する働きがある。カルシウムとかリンは骨の材料になるから、その吸収を助けるビタミンDが不足してまうと健康な骨を作れへんくなって、骨密度が低下する「骨粗しょう症」など深刻な健康問題を引き起こしてまうこともしばしば。

ビタミンDは主に「日光を浴びる」ことでゲットすることができ、太陽からの紫外線を浴びると皮膚で合成されるらしい。せやから、外出する機会が少ない人は気を付けた方がええかもね。

またビタミンDは「食べ物から摂取する」こともできる。魚類には豊富に含まれていて、そのほか肉類や卵類、乳製品やきのこ類など に含まれてる。ビタミンというと野菜類に豊富に含まれているイメージがあったかもしれんけど、実はビタミンDは野菜にはほとんど含まれてへん栄養素なの。

このようにビタミンDは必須栄養素であるにも関わらず積極的に合成・摂取せんとあかん。そのため、無意識のうちに不足してしまいやすく、それによる健康問題は世界的に深刻な状況にある。具体的には、ヨーロッパ人の4割、日本人の8割がビタミンD不足で、世界中で推定10億人がビタミン欠乏症の影響を受けているっていわれとる。

そこで、英John Innes Centreの研究チームは、CRISPR-Cas9という遺伝子編集を用いて「ビタミンDを多く摂取できるトマト」を開発しはった!

ビタミンDには前駆体(生成する前の段階の物質)として7-デヒドロコレステロールという物質の段階がある。研究者たちは、遺伝子編集をすることで、この前駆体を他の分子に変換する酵素を発現せえへんようにしはった。

この処理によって、トマトの果肉や皮、葉に7-デヒドロコレステロールが高いレベルで蓄積されるようになった。そして、この遺伝子編集されたトマトが紫外線光にさらされることで、人間の皮膚と同じように7-デヒドロコレステロールがビタミンDに変換されるらしい。研究者曰く、このトマト1つにはマグロ28g(お刺身2枚分)と同じ量のビタミンDが含まれてたんやって!

ビタミンD前駆体(7-DHC)の分布。野生型(WT)に比べて遺伝子編集型(MUT#2)の方が多く含まれている。/ Credit: J. Li et al., "Biofortified tomatoes provide a new route to vitamin D sufficiency", nature plants, 2022

研究チームは、トマトの栄養価をさらに高めるだけやなくて、ビタミンDが豊富に含まれる葉っぱをサプリメントの原料に使用できるかもしれんって言ってはる。また、ナスやジャガイモなどもトマトと同じ生化学的経路を持つことから、同様の遺伝子編集技術を使って、他の野菜でもビタミンDを摂取できるようになるかもしれんねんて。

日光を浴びる機会が少なくなってきた高齢者や患者さん、宗教や動物愛護などの理由で植物性食品しか口にせえへんヴィーガンの人ら、そしてビタミン不足に苦しむ世界中の人々にとって明るいニュースでした!


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