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一人モロッコに取り残された日【モロッコほぼ一周旅#Epilogue】

2023年3月 モロッコほぼ一周旅 - day6


最後まで完璧なモロッコ旅行だった。もう、どんなに満喫したかなんて私の語彙力じゃ表せないくらい、新鮮さに溢れた日々だった。

それなのに。

最後の最後で災難に遭いまくった私の話を少しだけ聞いてください

(※写真無し)


災難① 搭乗拒否

オンラインチェックインができない時点で少し怪しいと思っていた。

卒業旅行続き・就職目前にして金欠を極めていた私は、チケット代を少しでも抑えたい一心だった。いつもお世話になっている格安比較サイトでチケットを購入。その内容が:
カサブランカからロイヤル・エア・モロッコでロンドンまで、
ロンドンでターミナルを移動して
ロンドンからキャセイパシフィックで香港まで、乗り継いで羽田まで。

途中で航空会社変わるのも初めて、何なら2回乗り継ぐのも初めて、途中でターミナル変わるのも初めて。しかもロンドンでの乗り継ぎ時間は2時間を切っている。冷静になれば割とリスクに溢れているチケットをよく取ったものだ。

そんなこんなで帰りのフライトには不安要素が多数だったものの「まあロンドンにさえ着けばどうにでもなるだろう」なんて思っていた。

実際は、ロンドンにすら辿り着かなかったんだけど。

帰国する日の朝、カサブランカ空港のカウンターでチェックインができなかった。カウンタースタッフはろくに英語が喋れない私に見切りをつけたのか、舐められたのか、全然相手にしてくれない。できない理由もよくわからず、待たされることかれこれ2時間。もう搭乗時刻が迫っている。一緒に来ていた友達はそれぞれ留学先に帰ってしまう。ここは北アフリカ。英語は第二言語ですらない。しかもこちらの語学力は使い物にならない。そんなモロッコに一人取り残されるかもしれないという恐怖と言ったらもう。

オーバーブッキングによる搭乗拒否だったらしい。同じ便に乗るはずだった人を発見し(友達が)、理由を聞いてくれた(友達が)。何となく状況はわかったものの、待てど暮らせど搭乗券は手に入らない。何ならもう今日はあなたを乗せられる便はない、と断言される。絶望。ダメもとでHISカサブランカ支店に電話。空港解散だったのでサポート対象外のはずなのに、空港カウンターの人と電話越しに話をつけ、一人で取り乱していた私に日本語で状況を説明してくれた。控えめに言って神だった。カウンター越しに色んな人に怒鳴られ泣かれながらも、冷静に(冷淡に)業務をこなしていた空港スタッフのお姉さんの精神力は見習いたい。

災難② カサブランカ延泊

色んな人に(主にHISさんに)助けられて、何とか翌日の日本行きのチケットをゲット。延泊場所に到着、夕飯を済ませて就寝。正直何も楽しくないカサブランカでの一泊だったけれど、モロッコで泊まったホテルの中で一番清潔だったことだけはありがたかった。ホテルの食事だからと期待していった夕飯は驚くほど美味しくなかったですが。

残った現金を使うためだけに買った瓶ビールが1,000円もしたことには翌朝気づきました。

災難③ エコノミークラス症候群

翌朝、再度空港に戻り無事に航空券を発行され、搭乗口に到着。ちなみに、セキュリティーゲートを通った先ではユーロが使えた。ここはもうヨーロッパ。いやあ、長かった。

ロンドンで乗り継いでJALの羽田直行便へ。自分で買ったチケットよりずっといい値段がするであろう便で帰ってこられたのは、不幸中の幸いとも言うべきか。

無事に帰れる達成感と、数年ぶりにヒースロー空港に降り立った多幸感で、胸がいっぱい。なぜかロンドンで散財。

搭乗時間になり、後はもう本当に帰るだけ、と飛行機に乗り込む。安心感と共に疲労感に襲われ眠りにつく。

次に目が覚めたのは6時間後。飛行機の中で一度も起きずにこんなに長い時間寝たのは初めてかもしれない、なんて悠長なことを考えていると。

ふくらはぎに鈍痛が。

ああ、やらかしたかもしれない。と思った時にはもう遅かった。

日本について、1日経っても、足の痛みは引かないしむしろ悪化していく。本当に「それ」なのであれば放っておくのは良くないと、日曜診療をしている地元の病院へ。

そこからはもう、想定通り。

検査費に2万、月1の通院、半年間の薬代。大ごとにならず良かった、けれど金欠大学生には手痛い出費。エコノミークラス症候群のリスクを身をもって学びましたとさ。

いらんオチまで完璧についた、モロッコほぼ一周旅の記録でした。


Fin.

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