【読書】翻訳小説の醍醐味
祖母から借りて翻訳小説を読んだ。翻訳小説に抵抗感はあったものの、改めて翻訳小説の楽しさを知った。
登場人物の名前が覚えられない。
翻訳小説はなかなか読み進められないのは、これこそが原因だと思う。登場人物一覧があっても、既に出てきた登場人物か否かわからなくなる。そのため、ストーリーを把握するのも難しい…。
こうして、物語に入り込むのに時間がかかる。
一方、翻訳小説の醍醐味とは
1.展開が早い・結末もハッキリ
英語自体に曖昧な表現があまりないように、ハッキリとした表現が多い気がする。
もちろん、英語っぽい、関係代名詞で繋いでいそうな回りくどい比喩表現も多いが…笑
また、結末についても、何がどうなった、ときちんと読者に伝えて終わってくれる気がする。以前、「ザリガニの鳴くところ」を祖母に借りて読んだ時も思った。今回の小説も、気持ちの良い終わり方だった。
2.文化がわかる
当たり前に感じるかもしれないが、「文化」と感じるにはそれなりのセンサーや経験が必要な気がする。今回はイギリスが舞台だったが、例えば…
①年齢と社会的役割
この本は、17歳前後の高校生のお話だが、運転をして学校に行く。17歳での運転や、高校への車通学に文化の違いを感じた。
②社会問題:ドラッグ
作中に、高校生のドラッグ売買と、ドラッグを使用したレイプが起こる。高校生が身近に薬を買い、友人に売り捌き、パーティーで薬を服ませてレイプするなんて、日本では想像ができない。
これだけ、イギリス(海外)ではドラッグの脅威が蔓延っているのだと改めて思った。
③日常文化:アフタヌーンティーや紅茶
これは、気にせず読める部分だと思うが、気にしながら読むと楽しいのではないかと思う。
例)アフタヌーンティー
作中、「お祝いにありあわせでアフタヌーンティーの準備をする」という表現がでてくる。
イギリス文化に古くから根付くアフタヌーンティーは、日本の高級志向のものとは違い、身近な人と日常的に楽しむものだと感じた。
例)お茶=紅茶
作中の「お茶を淹れるよ。砂糖とミルクは?」という表現は非常に興味深かった。
ここでいう「お茶」は「紅茶」なんだとよくわかり、昔から根付く紅茶文化の象徴だと思った。
だが、日本で「手軽に客に出すもの」は「お茶」だから「お茶」に翻訳したのだと思った。(これは翻訳家のこだわりもあるかもしれない。)
このような良さを感じ、ますます翻訳小説を読んでいきたいと思った。
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