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02. 「着る」という行為からその意思を拡張するHANMO


HANMO
HANMOはサステナブルな循環経済を実現するために生まれたTシャツです。服をつくるときに、どうしてもできてしまう端切れ。この端切れから糸を紡ぎ、生地をつくるのが 【反毛 はんもう】です。反毛の糸は不均一さを持つ独特の風合い。製造ロットごとに少しずつ表情も変わります。 反毛を使うことで、ふんわりとした着心地のTシャツができました。           https://hanmowear.jp/


大坂なおみが今年の全米オープンで、黒人差別や暴力に対する抗議活動として、ジョージ・フロイドなど犠牲となった人々の名前を遺したマスクをつけて入場したように、好きなスポーツチームのTシャツを着るように、そしてオーガニックな製品を好んで買うように、私たちは自分たちの意思をファッションで表現している。服はそれを着る人自身のアイデンティティを表すものであり、メッセージであり、時にその人そのものだったりする。あまりピンと来ていない人もいるかもしれないが、自分の意思でブランドや服を選んでいる時点で、私たちは選択をしており、着ているものを通して「私はこういう人間です」という表現活動を行っているのである。

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服はそういった意味でメディアに近い。日々自分が着ているものを通して、自分とは何かを表現し、外に向けて発信している。HANMOもまた、そのフィロソフィーに共感し購入した人が、HANMOを介して自分の主義主張を表すものになっていくのであろう。


ベーシックな白いTシャツが発信するメッセージ性

HANMOが今回発売するロングスリーブのTシャツは白とグレーの2色。シャツは普段着る人と着ない人に分かれるけど、Tシャツは誰でも1枚は持っている。だから今回のHANMOはシンプルに、無地。シンプルだからこそ、HANMOが発信するブランドメッセージが際立つ。たまたま出会った人がHANMOを着ていたら、そしてその時に自分もHANMOを着ていたら、それだけで仲良くなれそうだし、同じ意識を共有できる人なんだろうという安心感がありそうだな、と妄想してしまった。HANMOという媒体がHANMOというコミュニティを形成し、HANMOらしさを共鳴し合う。


反毛技術を復興していくために他社とのコラボレーションで拡張していく

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そしてHANMO Tシャツは無地なので汎用性が高い。HANMOを自分たちのものとして完結させず、関係者を拡張し、綿100%の反毛技術を復興させることを目的にしているサイセーズ。企業や他社ブランドとのコラボレーションも今後の視野にいれている。

「先日フラダンス教室のベースとなるTシャツとしてHANMOを使えないか、といった相談もありました。」と白水さん。例えばHANMOで作られたTシャツなら、それを着るダンサーや教室のメッセージに環境意識を加えることできる。そうやって少しずつ様々な場面でHANMOのTシャツや技術が広まり、1つの選択肢になるといいな。ライブTシャツやノベルティなど夢は膨らむ。「今年のTシャツ、ベースがHANMOなんだよ、最高だよね!」みたいな会話が、音楽フェスでされるようになったら、最高。

HANMOは、日常の中の着るという行為を通じて、HANMOがもつメッセージを社会に向けて発信する。プロダクトがTシャツというのも、まずは入り口を広く、年齢、性別、人種関係なくHANMOに共感する全ての人が当事者意識をもって購入してくれるからという理由からだ。本質的に「サステナブル」でなかったり、物を通して知ってもらうまでが繋がっていないものも多い中で、HANMOはトレーサビリティから伝える部分まで役割分担をして一貫出来ている。つまり、HANMOを通じた私たちからの想いや問いかけは、製品がそうであるように100%の直球だ。毎日着ることがその人にとってどんな意味をもたらすのか。毎日の選択の中に一つ考えるきっかけを作りたい。



▼バックナンバー

HANMOについて
HANMOは、循環する服作りをテーマに集まったサイセーズ株式会社と株式会社博報堂ミライの事業室の共同プロジェクトです。これまで服作りやブランドづくり、ECなどに関わってきたメンバーが集まって、それぞれの得意領域を持ち寄りながら、新しい循環経済の仕組みづくりを目指しています。                               
このnoteをかいたひと                        大山貴子(おおやま たかこ)
株式会社fog代表取締役。米ボストンサフォーク大にて中南米でのゲリラ農村留学やウガンダの人道支援&平和構築に従事、卒業。ニューヨークにて新聞社、EdTechでの海外戦略、編集&ライティング業を経 て、2014年に帰国。日本における食の安全や環境面での取組 みの必要性を感じ、100BANCH入居プロジェクトとしてフー ドウェイストを考える各種企画やワークショップ開発を実施後、株式会社fogを創設。循環型社会の実現をテーマにしたプロセス設計を食や行動分析、コレクティブインパクトを起こすコミュニティ形成などから行う。            https://note.com/octopuseatskale
                                  株式会社fog                              “循環”が社会のエコシステムとして機能する社会を創造するデザインファーム。企業や自治体、コミュニティや消費者など、様々なセクターと手を組み、人を含む生物と地球にとって持続可能な環境を構築するプロセスをデザインしている。                           https://fog.co.jp/




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