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「JALが早期割引廃止、値上げも」報道について

 コロナ禍での業務が低迷し、借金を返済できる目処がなかなか立たないという苛立ちは理解できるが解決策がこれか?

 利用者に負荷を強いる前にもっとやるべき業務改善があるんじゃない?

1  米国サウスウェスト航空のユニークな業務改善内容

  米国のLCCの雄、サウスウェスト航空の搭乗方法が非常にユニークで水平思考的だとしてハーバード大学の研究材料となっている由。

  🔹 座席が指定されない、自由に座席を選べる

  🔹 搭乗する順番は「早いものがち」なのに一定のルールが存在

  🔹 結果として乗客の搭乗時間が半分に短縮、定時運行が定例化

  🔹 結果「定時運行で予定が立ちやすい」サウスウェスト航空は大繁盛

2   驚きの搭乗方法とは?

  サウスウェスト航空はLCCすなわちローコスト・キャリアなためビジネスクラスが存在しない。

  搭乗口には「A」から「F」までのアルファベットと「1〜25」「26〜50」などの番号が書いてある標識が設置してあり、乗客は予約時にアロケートされる番号に従って整列する。

  例: A-1であれば一番先に搭乗、B−10であれば51番目に搭乗するといった具合

 A-1の乗客は真っ先に機内に入り、自分の好きな座席に一目散。着座する。

 その後Aー2から順次畿内に入る端から着席していく。

 いちいち自分の席が何番だと探す必要がないので搭乗時間の短縮につながる。

 加えて、搭乗時におけるあの忌まわしい渋滞、すなわち「通路を塞いで自分の荷物をオーバーヘッド・ビンに入れる迷惑な行為」が殆ど皆無なのでなんとスムーズな搭乗方法なのかと感動することしきり。

 まさに、「あっという間に」全員が搭乗。

3  やはりあった落とし穴

  確かにこのユニークな搭乗方法は乗客にとって非常に快適かつ定時運行が可能になるということでスカッとするのだが。。。。。

  誰しも早い順番で好きな席を取りたいのが人情。

  ではどういうプライオリティーがあるのか?

  それは、「金次第」なんですねこれが。

  A-1を確保したければ、ネットでの予約時に一定額の金を積み増しする必要があるのです。

  例えば 

    メリーランド州ボルチモア▶︎テキサス州ヒューストン

に行きたい時の最低運賃が120米ドルだとしましょう。もし、A-1あるいはA-6くらいの早い搭乗順を確保したければ、「35米ドルを積み増し」する必要があるのです。

 また、フリークエント・フライヤーすなわちサウスウェスト航空への搭乗回数が個人情報として管理されているので、より多く利用した乗客は回数が少ない客よりも優先して「A」に近い順番での搭乗が許されるという仕組みになっています。

 まあ、当たり前の話ですがJAL やANAの優先搭乗に似たシステムですね。

4  もう一つの問題点とは?

  機内の席配置は、通路を挟んで三席ずつになっています。

  想像してみてください。もし貴方が自由に座席を選べるとしてどの位置のどの座席を選ぶか?

  それぞれに思惑があるので、「早く降りたい人は前の方」「景色を見たい人は窓際」「トイレに行ったりの利便性を考えるなら通路側」など好みの席も色々でしょう。

  さあもうほぼ全員搭乗しましたというときに残っている席はどの席だと思います?

  そうです、三席ある並びの「真ん中」の席です。

  フライトの混み具合にもよりますが、「満席」という最悪の事態に遭遇した場合誰かが必ず真ん中の席に座ることになります。

  大抵の場合最後に搭乗してくるのが、恰幅の良い関取級の御仁が「どっか」と真ん中の席に座られでもしたら、空の旅はまさに拷問時間そのもの。

  私もよく体験しましたが、悶絶状態。

  この最悪の事態を避けるため、自分の横の席すなわち真ん中の席が埋まっていますという意思表示をするために大抵の客は帽子を席に置いたり、カバンを置いたりして後から搭乗してくる客に

  「この席埋まってますよ」

 的なアピールをして着席を妨害するというディフェンス行為が横行しています。

 私も無駄な努力をするのですが、満席時にはそれもままならず「どうか横に座る人が小さい人でありますように」と祈るような気持ちでテイクオフを待ったことを思い出します。

5  日本のキャリアの未来は?

  サウスウェスト航空の搭乗方法は、確かに合理的だし流石にハーバード大学の研究室で研究素材に取り上げられるものですが、「さらに合理的な搭乗方法とコスト削減の手段がありはしないのか?」という水平思考的なチャレンジ無くして日本のLCCの未来は無いかと。

  



 

 

   



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