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海賊とよばれた男

作者は永遠の零で有名な百田尚樹氏。
この小説は出光興産の創業者がモデルとなった話らしい。
まるでジャンプの主人公のような「努力、友情、勝利」で展開されており、幅広い年代に親しまれやすい展開だった。
これが史実とは驚きである。

国岡商店の「社員は家族」という考え方は「会社はお金を稼ぐ」だけと考えることが多い労働者にとっては違和感があるかもしれないが、当時はこのような会社が多かったのであろう。

一つ確かなのは作中の戦後から高度経済成長の時代はこれからの日本に国民たちが希望を持っていた時代である。
また、賃金も生活水準が上がっていて頑張れば頑張るほど報われた時代でもある。
その時代背景が国岡商店の「大家族主義」が成功した一つの要因でもあると思う。
これから衰退の一途をたどる日本にとって彼のような経営方針に賛同してついてくる若い世代が多いか疑問だ。
もはや今の国民は牙を抜かれた猛獣と同様である。
むしろ若い世代は政治方面で彼のようなリーダーを欲しているのでは?と感じる。

また私を含め多くの人がここはブラック企業だと思う人も一定数いるだろうなと感じた。
結局とらえ方次第でワンマン社長は善とも悪とも取れる。
創業者のカリスマ性も確かにすごく、従業員たちも彼を崇拝し業務を遂行してきたが、これは当時生きていた人にしか分からないだろう。

創業者の発展の功績を首脳陣のおかげと勘違いすると某中古車販売会社のような末路を辿ることになるだろう。

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