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【詩】水のゆくえ
僕の喉は
渇いていた。
カサカサカラン。
僕はガラスの水差しを持って
雨を集めながら
大きな水場を求めて歩いた。
そこの角で会った人も
遠い街で話した人も
僕の水差しに水を入れてくれた。
仲良くなった女の子も
カサカサカランだったので
僕は水をその喉に注いであげた。
そして、また、ぴっちゃんぴっちゃん
雨を集めた。
背後から誰かが走ってきて
突然、僕の水差しを奪った。
奪って、
走って、
転んだ。
転んだ拍子に僕の水差しは割れた。
アスファルトの上に水が黒い模様をつくる。
僕は、ただ、歪みながら広がる黒を見つめた。
黒はゆっくりと蒸発して
空に帰った。
ほら、そこに太陽。
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