旦那、美少女になる プロローグ

私の旦那さんは警察官である。柔道をやっていたという身体は大きくて、強面のキリッとした一重の瞳は何かが起きた時にすぐに行動できるよう常に警戒心を持ち、侮られないようにと周囲に振り撒く威圧感がすごい、動物で例えるなら熊みたいな人だ。

彼との馴れ初めは友達の紹介だった。初対面の時は警察官だと知らなかったため、彼の見た目から絶対に危ない仕事をしている人だと思った。けれど、お互いを知っていくうちに、無口なのは相手を傷つけないように自分の中で一旦考えをまとめているからで、無愛想なのはただの恥ずかしがり屋だと理解した時、私は彼を好きになっていた。体格が大きいせいで他人に威圧感を与えてしまうと申し訳なさそうにする優しい彼に、私からプロポーズをして結婚したのはもう三年前のことだ。

そんな二人暮らしにも慣れた今日この頃なのだけれど、最近変わったことが起きた。それは、旦那さんがVRゴーグルを買ってきたことから始まった。これは、現実では熊のような見た目の旦那さんが仮想空間では美少女になって楽しんでいる姿を、嫁である私が記した観察日記である。


旦那、美少女になる 1話『旦那、VRゴーグルを買う』

旦那、美少女になる 2話『旦那、VRワールドに行く』

旦那、美少女になる 3話『旦那、VRアバターを作る』

旦那、美少女になる 4話『旦那、VR友達ができる』

旦那、美少女になる 5話『旦那、VRワールドで修羅場になる』

旦那、美少女になる 6話『旦那、VRワールドで姫になる』

旦那、美少女になる エピローグ







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